小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



未だに方向性も定まらないままブログを続けて4年。当初は小田原のマイナースポットや昭和の遺物や忘れ去られてゆくものを記録がてら撮影してブログという形にしようと考えていた。そしてブログを始めるにあたり第一回目の投稿は私の大好きな小さなお堂を紹介した。そのお堂が今年の春に解体されて無くなった。小田原市荻窪の宮窪観音堂。たかん堂とも呼ばれている小さなお堂でかなり昔から周辺の住民が寄り会って念仏講が行われていたと聞いたことがある。近年、念仏講も廃れてしまったようでお堂が開いているのを見たことが無かった。散策の途中にたまに立ち寄っていたのだが、先日ブログのコメントで解体されることを知り急いでたかん堂へと出かけた。古びたお堂の前には色鮮やかな河津桜が咲いていた3月15日のこと。翌日から解体工事が始まるようでお堂入口のガラス戸は取り外されていた。たかん堂でひときわ好きだったのが年季の入った屋根の上にあるふっくらとした宝珠。たかん堂がいつ頃建てられたのかは調べてみたがよく分からず。おそらく昭和初期かそれ以前の建物ではないかと思う。解体を控え、お堂の中にあった地蔵座像や名号の書かれた掛け軸は撤去されていた。開け放たれた戸口から古く時間を経過を感じさせる少し埃っぽい匂いがする。念仏講が行われていた往時はどのような雰囲気だったのだろう。時代に取り残されて長年存在しつづけたたかん堂を労うかのようにお堂の前の河津桜が満開の花をつけていたのが印象的だった。2週間後にたかん堂のあった場所に立ち寄ると解体が終わりお堂も河津桜も無くなっていた。時代の流れには抗えないが時間を経てきた建物が無くなるのはなんとも寂しいばかり。

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