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小田原の端々



開成町金井島のあじさい公園横を流れる用水路では年明けから県の事業で小水力発電の建設工事が行われていた。散策の途中に何度か立ち寄って工事の進捗を撮影していたが、先日一ヶ月ぶりに現地に出かけてみると発電設備が完成して稼働を始めていた。開成町金井島のあじさい公園横には川幅2mほどの武永田用水が流れている。その農業用水を利用した小水力発電が神奈川県企業庁によって整備され開成町へと譲渡。建設費用は約3500万円で10年間にわたり県へと返済していく方式がとられた。水深が浅く落差もない用水路に導入されたのはスクリュー形の水車が回転して発電する「開放型らせん水車で県内では始めて導入されたもの。水車の直径は1mほど。水車が回っていると常にジャバジャバと水を攪拌するような音がする。発電用の水車の上流部分はかさ上げされて水門も設置された。今までは数十センチほどの水深だったが、水門が出来たことによって1m以上の水深になっている。水門によってかさ上げされた用水の流れは螺旋形の水車を回転させて下流部分へと流れ落ちる仕組み。発電電力は最大で2200w。発電量は一般家庭の約3世帯分の年間消費量に相当。売電で得られる収入は年間約25万円程度なので元がとれるまで100年以上はかかる計算。なので民間ではまず事業化されることはなっさそうだ。再生可能エネルギーは投資コストに見合うだけのリターンがなかなか得られないが、開成町あじさい公園発電所は建設費用が回収出来る頃まで末永く稼働し続けることを願うばかり。それは多分2100年代の半ばあたりになるのかもしれない。

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