1
全世界はいい方向へ向かって動いている。さぶろうはこう思っている。これは疑いようがないことだと思っている。証拠は出せない。だから、信用はできない。できないけど直感ではそうなっている。この直感は、ひとりさぶろうのそれではなく、全世界が抱いている直感だと思っている。
2
いい方向へは向かっていないとなると不安が募る。暗くなる。ひしゃげてくる。絶望して来る。
3
いい方向へ向かっていると信じていれば安心していていい。明るい眼をしてていい。張り切っていていい。希望を前面に出していていい。そういうことになる。
4
結局はいい方向に向かって行くしかないのだ。方向性があるということが即ちいい方向性の証拠なのだ。
5
長い長いスパンで見ると、一見よくないことに見えていても、それは単なる途中の経過と言うことになる。それを受けて反転をする。そしてまたそれが反転をする。ぐるぐる回る。回りながら、回転しながら、進んでいる。
6
これは波動だ。波の運動だ。一定の周期で高くなったり低くなったりしているが、それが直進するエネルギーの運動なのだ。
7
それが悲しいことであっても苦しいことであっても寂しいことであっても辛いことであっても、それが回転の重さになっているのだ。次を回す力になっているのだ。これで先へ進んで行く。
8
どこがこの世の終わりか。宇宙の終わりか。ゴールを何処に置くか。仏教の歴史観では、終わってまた始まるのだ。
9
繰り返し繰り返しをして反転反転をして繋がって行く。運動は運動のエネルギーに拠っているが、運動する限りこの力は自動発電なので消滅することはないのだ。心配は無用だ。
10
人が生きて人が死ぬ。これも波動だ。運動だ。向上する運動だ。発展する運動だ。力がそうやって自動発電しながら先へ先へ進んでいるのだ。
11
宇宙もそうだ。生まれて活動して死んで行く。死んだことでそれが新生に転じていける。そしてそれが波の周期運動になっている。繋がって繋がって行く。いい方向へいい方向へ進んでいく。
12
そうであるなら、絶望をすることはない。希望を輝かせていていい。そういうことになる。