午後８時を過ぎています。お風呂に入りました。ゆっくりします。
お風呂が大好きです。あたたまれます。あたたまったら、お風呂を上がります。
お風呂に入ると、これで一日が終了します。終了した気分になります。
一日を過ごせたことを感謝します。お風呂は感謝の時間です。
「いい一日でございました。有り難うございました」を何度も何度も繰り返します。
包丁が切れなくなったら、お爺さんの出番が来る。「お願いしま～す」になる。台所には種類別種類別の包丁が３個ある。研石（とぎいし）を出して来て、水に濡らして、これで包丁を動かして、ごしごし力を入れて研ぐ。長い時間は掛からない。これで切れるようになる。
せっかく切れるようになったので、切りたくなる。高菜の一夜漬けが漬け物桶から出される。ちょうどいいくらいに漬かっている。出して、洗って、俎に出して、さっそく切る。縦横に切る。よく切れる。音で感知できる。しめしめ、になる。
包丁は３本ある。残りの２本の切れ加減を試す必要がある。今日は鍋物料理。我が家の畑で野菜類を調達してきている。九条葱を割合長めにざくざくざくと切る。白菜を断ち割る。ざくりざくりと包丁を入れる。よく切れる。３本目の包丁で、まあるい蕪の皮を厚めに剥いて、これをできるだけ薄く切った。蕪の酢漬けにするらしい。
３本の包丁とも切れ味抜群だった。出番が終了した。お爺さんは役に立ったのだ。目がにこりとした。
報道に由れば郵便切手が値上がりする。４月かららしいが、値上がり率が凄い。８４円だった封筒貼付切手がいきなり１１０円になる。葉書が８４円（？ だったと思う）になる。
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で、お馬鹿さんのお爺さんは、値上がりする前にと判断して、葉書２０枚と、封筒切手１０枚綴りを買って来た。
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よく考えたら、これは僕の間違い判断だった。４月が来れば、自動的に切手を１１０円に増やしてしか、封筒は送れないのだった。このお爺さんは、数学に弱いのである。
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値上がりのラッシュだ。家庭経済を預かっている主婦たち、年金暮らしの老人達は悲鳴を上げているに違いない。
二階の洗濯物干し場の、竿に吊している干し柿が出来上がった。試食した。じゅうぶんに甘くなっている。小さいのも、中くらいのもおいしい。いい味になっている。そしてやわらかだ。合格とする。この数日の極寒の寒さが、このいい味を出してくれたのだろう、きっと。自然も芸術家だ。いいものを作る。
我が家の畑の白菜の５０％ほどは虫食いである。虫の巣窟になっている。喰われて食われて網の目状になってしまっている。とほほ、と泣きたくなる。殺虫剤を撒かなかったらこうなる。こうなると分かっていて、殺虫剤撒布しなかったんだから、諦めるしかない。でも、捨てるわけには行かない。愛情を掛けて育てたんだから、なにしろ。でもあとの５０％ほどは、虫を寄せ付けずに生き残っている。なぜこうも、虫食いと虫食わせずに分かれてしまっているのか、疑問。
人様にあげようと思って、虫寄せ付けずの白菜を収穫して来た。でかい。ずしりと重い。固くてしっかり巻いている。野菜が値上がりしているから、これはスーパーで買うなら５００円の値がついているかもしれない。
我が家で今夜鍋物にして食べようというので、今度は虫食いの方の白菜を抜いて来た。虫食いの黄色い部分はどんどん捨てた。ところが、中心部は虫に喰われていなかったのである。戦ったのである。よくやったぞ、と褒めて上げたくなった。３分の２を捨てて、残る３分の１を残した。我が家はこれを食べることになった。
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白菜に感動した。外側を次々に敵の虫に攻められて、ぼろぼろになってしまっても、中心を渡さなかったのである。いのちの砦を守り抜いたのである。ドラマだ、これは。最後まで抵抗を続けたであろう白菜の、抗戦貫通実践に感動した。
僕と遊んでくれる人がいないかなあ、などと思います。ヘンですよね、これって？ （わたしは７８才のお爺さんです、よぼよぼの）
もし、それでもいてくれたら、どうしよう？ 何の遊びをしよう？
１，にらめっこ遊びをする。にらめっこをして、がははははっと笑いを噴き零す。（この遊びには互いにことばは不要。いいね。いいけど、にらめっこまでに無理があるかなあ）
２，お絵描きをする。クレヨンで。一枚の画用紙に二人三人四人でいっしょになって、電車の席に座っている人たちを一人ずつ描いていく。（これも言葉が不要。僕はお母さんを描きたい）
３，陣取り鬼をする。椋の木が運動場の西の隅っこにある。国旗を立てるポールが運動場の北にある。１０人と１０人に分かれる。北風がビュンビュン吹いているのに、ふしぎに体が熱を持って来る。（これは大きな声を掛け合う）
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１，２，３の三つをすれば、一日が楽しいなあ楽しいなあで過ぎて行く。行くような気がする。
でも僕はお爺さんだからなあ。どれもどれも、よぼよぼのお爺さんがすることじゃないなあ。
じゃ、いつものように、離れたところで見ているだけにするか。見ているだけはぽつんとして寒いよなあ。
遊んでくれるやさしい奇特な人は、僕の想像の中岳（なかだけ）にしておこう。
畑の雪は解けました。外気温は３・６℃になっています。１２月２４日、日曜日。世間ではクリスマスです。我が家には小さなこどもはいませんから、変化はありません。苺ケーキなら食べていいなあ。でも、こどもじゃないお爺さんだから、ほんの少しでいいなあ。
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９時半を回りました。６時に起きて、新聞の読者文芸に投稿する詩部門の、２０行の作品を書き上げました。思いが阿蘇山近隣の白川湧水のように湧いて、それが割とすらすらと文字になりました。珍しいことでした。こんなこともあるんです。でも完成を見たのは８時半を過ぎていました。暫く時間が経つと訂正を入れたくなるのです。
その後、朝食を取りました。炊きたてご飯に、いつもの高菜の一夜漬けと鰹の削り節を載せて、香りを楽しみました。
