沖縄のたたかいと連帯する東京南部の会

辺野古新基地・高江ヘリパット建設反対。東京南部の地で、尊厳をかけて島ぐるみでたたかっている沖縄の人々と連帯していきます。

ヘイトクラムは許さない!「ウトロ声明」に賛同しました

2021-12-23 20:06:50 | 日記

 今年8月30日、京都の宇治市のウトロ地区で住宅や倉庫など7棟が焼け、放火の疑いで22歳の青年が逮捕されました。放火した理由を「日本人の注目を集めたくてやった」と供述しているそうです。先日は、韓国民団の建物にハンマーを投げ込むという事件も起きています。
 在日コリアンに対するヘイトクライムです。絶対に許せません!ウトロの放火事件に焦点をあて、12月26日、京都の市民団体「京都府・京都市に有効なヘイトスピーチ対策の推進を求める会」が「ウトロでの放火を許さない!ヘイトクライムのない社会をめざす市民集会」を開催するそうです。、
「ウトロと連帯しヘイトクライム根絶をめざす声明」が発表されました。南部の会もその声明に賛同しましたので報告します。

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 ウトロの人々と連帯しヘイトクライム根絶をめざす声明  
                             2021年12月21日

今年 8 月 30 日、京都府宇治市のウトロ地区で、住宅や倉庫など計 7 棟が焼け、12 月 6日、京都府警は放火の疑いで 22 歳男性を非現住建造物放火罪(刑法 109 条)で逮捕したことを発表しました。被疑者は 7 月、名古屋市の韓国民団愛知県本部と隣の名古屋韓国学校の排水管に火を付けて壊し、器物損壊罪(刑法 261 条)で 10 月に逮捕・起訴されています。
ウトロ地区で放火されたのは住宅地であり、死者が出る危険性もありました。来年 4 月には地域の歴史を伝える平和祈念館が開館する予定で、その記念館に展示するための資料などおよそ 40 点も焼失したとのことです。
ウトロ地区は、日本軍の戦争遂行のための京都飛行場建設工事現場に朝鮮の人々が集められたのを契機として形成された集住地区で、住民は植民地支配の歴史の生き証人です。今回の放火は、戦後も差別の下、苦難の生活を強いられてきた人々に対し、生活の基盤のみならずその苦難の歴史の証拠をも破壊し、踏みにじるもので、到底許すことはできません。
一連の犯罪のターゲットとなっているのがすべて在日コリアン関連施設であり、被疑者は「日本人の注目を集めたくて火をつけた」などと述べているとの報道を踏まえれば、「日本人」集団に向けたメッセージとしてコリアンを攻撃しており、差別に基づく犯罪すなわちヘイトクライムの可能性が極めて高いといえます。コリアンであることだけを理由として、日本に存在することそのものを否定したヘイトクライムの危険性が強く疑われます。
ヘイトクライムの本質は、歴史的、構造的に差別されてきた属性を有する人々に対する迫害であり、その被害は直接攻撃された人のみならず、その属性を有する人々を日常的な恐怖、屈辱感、絶望感に陥れます。また、社会にその属性をもつ人々を差別し攻撃して構わないとの雰囲気が醸成され、暴力や排除、さらにはジェノサイドへもつながり、民主主義社会を破壊します。その危険性故に、日本も加盟している人種差別撤廃条約は加盟国にヘイトクライムを犯罪として処罰する義務を課しています。
今回の一連の放火事件は既に全国の在日コリアンに、いつ家や施設が放火されるかもしれないとの恐怖をもたらしています。今回の事件に煽られたと思われる大阪府の韓国民団枚岡支部へハンマーが投げ込まれた事件も報道されており、極めて深刻な状況です。
まず、今回の事件について、京都府警及び京都地検に対し、差別に基づくものであるか徹底的に捜査し明らかにすること、ヘイトクライムであった場合には、その重大性に相応しく厳正に起訴及び求刑を行うことを求めます。また、内閣総理大臣、法務大臣、京都府及び宇治市の首⾧、議員らが直ちにウトロを訪れ、住民の被害を聞き、被害を放置しないこと、ヘイトクライムの危険性が高く決して許さないと宣言することを求めます。そのような行動が人種差別撤廃条約の定める責務にかなうものです。そして、ヘイトクライム対策を含む人種差別撤廃政策及び法整備を緊急に行うことを求めます。
私たちは、ウトロの人々を孤立させず、被害回復及び再発防止に向け、また、ヘイトクライムの根絶のため共に闘うことを全国の皆さんに呼びかけます。