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< 郷土料理 > 山形 雪菜のふすべ漬け

2024-04-11 09:34:09 | 郷土料理

 「雪菜のふすべ漬け」

 主な伝承地域 置賜地域

 主な使用食材 雪菜、塩

 歴史・由来・関連行事
 「雪菜のふすべ漬け」は、置賜地域のブランド野菜「山形おきたま伝統野菜」の一つ「雪菜」を使った漬物。“さっと湯通しする”という方言の“ふすべ(る)”から、その名が付いた。
 雪菜は全国でも珍しい雪の中で育つ軟白野菜で、雪国での生鮮野菜の確保のために上杉鷹山公が栽培を奨励したと伝わっている。越後から伝えられた長岡菜との自然交雑から選抜育成したものといわれ、雪深い地だからこそ、つくることのできる野菜である。
 以前は「かぶのとう」という名前で呼ばれていたが、改良を加え栽培を奨励したことをきっかけに昭和5年(1930年)に雪菜という名前が付いた。現在雪菜は米沢市のなかでも上長井地区(笹野、古志田、遠山)で栽培されている。
 雪菜は雪のなかで成長した「とう(花茎)」を食べる野菜。その育て方は8月下旬から9月上旬に播種し、11月上旬に草丈60cmから80cmに生長したものを根っこごと収穫。雪菜は凍害に弱いので、12株から13株ほどをひとまとめにしてわらで括り、寄せ集めた周りを稲わらと土で囲い(「床寄せ」という作業)、雪で覆われるのを待つ。降り積もった雪の中は温度と湿度が保たれ、自らの葉を栄養とし、とう(花茎)を伸ばす。食材となる量は床寄せ時の20%から25%位になる。

 食習の機会や時季
 雪菜は冬の寒さのなかで育つ野菜。置賜地域の米沢市周辺では、寒い冬が訪れる正月ごろから食卓に並び、作付けや積雪の状況によっては3月中旬ごろまで市場に出回る。サラダなどにも使うが、「ふすべ漬け」にするのが最も美味しい食べ方。

 飲食方法
 「ふすべ(る)」というのは“さっと湯通しする”という方言。生の雪菜は少し苦味があるが、熱湯をかけることで独特の辛味を引き出すことができる。材料は雪菜と塩だけのシンプルなものだが、湯通しの加減には、コツが要る。3秒から5秒ほど熱湯に浸すことを3回繰り返したら、冷水で粗熱をとった後、塩を加えて厚手のポリ袋などで密封して3日置いておく。1日から2日ではまだ辛味は出ず、3日寝かせることで辛味成分が出てくるという。この独特の辛味成分をイソチオシアネートという。揮発性のため、空気に触れ続けると消えてしまうので、密封の状態から取り出して盛り付けたら早めに食べるのが良い。ごはんのおかずや酒の肴などに合わせる。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 雪菜は、置賜地域では馴染み深い食材。スーパーマーケットや直売所で気軽に購入し、「ふすべ漬け」にする家庭も少なくない。
イタリアのスローフード協会から食の世界遺産と言われる「味の箱舟」にも雪菜が認定されている。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/yukinanofusubezuke_yamagata.html より


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