「夕顔のみそ汁」
主な伝承地域 富士北麓地域
主な使用食材 夕顔、味噌
歴史・由来・関連行事
夕顔は富士北麓地域の夏の風物詩で「夕顔のみそ汁」が頻繁に食卓に上がる。一般的には「ゆうがお」と呼ぶが、山中湖村では「ゆうごう」と呼ばれることが多い。この地域に栽培されている夕顔は、朝顔とは別の植物であり、また、かんぴょうの材料となる「マルユウガオ」でもなく、ひょうたんのような長いかたちをした「ナガユウガオ」である。夕顔は古くから利尿作用があるとして、腎臓病を患う人の食事に用いられてきたという。夕顔の名は、朝に咲く朝顔に反して、夕方に開花することからきている。夕顔の原産地は北アフリカ、またはインドで、古くから日本でも栽培されているが、いつどのように伝来されたかは分かっていない。富士北麓地域では、大正時代から夕顔栽培がおこなわれてきており、昭和40年(1965年)頃から市場に向けて栽培が盛んにおこなわれるようになった。現在は高齢化などから栽培する人は減少したが、各家庭の畑などで多く栽培されており、地域の代表的な野菜の一つになっている。
食習の機会や時季
8月から9月頃の暑い時期によく食される。
飲食方法
煮干しで出汁をとり、薄切り、または角切りにした夕顔を入れ、煮立ったら味噌を入れて火を止める。油揚げやじゃがいもなど他の具と合わせても美味しい。味噌汁だけでなく、冬瓜と少し食感は違うが味わいは淡泊で似通っており、煮込むと夕顔ならではのトロンとした独特の食感を持つ。出汁で煮てそぼろあんかけにしたり、豚肉や鶏肉と合わせて煮たり、スープなども良い。煮すぎないように注意。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
各家庭で味噌汁だけでなくさまざまな料理がつくられ、”ふるさとの味”として伝承されている。また、野球のバット大の長さで、見た目インパクトがあって珍しい食材のため、取材を受けて全国放送のテレビにて放送もされている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/yuugao_no_miso_shiru_yama_nashi.html より
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