【平成30酒造年度全国新酒鑑評会 金賞銘柄一覧(広島国税局)】
〈広島〉 桜吹雪/金光酒造
賀茂金秀(かもきんしゅう) 金光酒造
●上品かつ力強い味 広島酒のイメージを変える酒、賀茂金秀
広島県西条地区から少し離れた黒瀬町。ここに賀茂金秀を造る金光酒造が位置しています。
金光酒造の創業は明治13年。以降「桜吹雪」をメインブランドとして販売していましたが、平成の時代に入っても普通酒を中心に造っていた蔵元であり、年間製造量は300石という小規模の生産量であったため、全国有数の名醸地である西条地区を擁する広島県において、金光酒造は高いポジションに位置する酒蔵ではありませんでした。
『それで良いのか?』
そう疑問を感じたのが、金光酒造5代目に当たる、当時28歳の金光秀起さんです。
秀起さんは東京農大の醸造学科を卒業後、小規模な酒蔵であるからこそ、品質重視の少量生産をするべきと考え、卒業後すぐに蔵に入り、自力で吟醸酒造りにチャレンジを開始しました。
「賀茂金秀」誕生
数年間の試行錯誤を経て、ようやく納得できるレベルの純米酒、純米吟醸酒を造れる迄に至った秀起さんは、その2種類のお酒を持って地元広島の実力地酒専門店へ向かいました。
「新規取引に至るまでは3年はかかる」と噂される地元有力店で評価をされなければ、東京には出ていくことは出来ない、と考えたからです。
この判断は正解でした。
恐る恐る飛び込んだ広島の酒販店の反応は、秀起さんにとって予想外のもので、「このレベルなら直ぐに取り扱ってよい」と上々の評価。
そして酒名は金光酒造のある地区を表す「賀茂」郡と、秀起さんの名前から「金」と「秀」を取り、「賀茂金秀」と名付けられます。
この蔵の注目すべき点は、吟醸蔵としての基盤が全く無いレベルから、金光秀起さんが進んで蔵の改革を行い、現在に辿り着いた点です。
賀茂金秀は静かに確実に全国の名のある地酒専門店に認められていき、徐々にその名を知られるようになっていきます。
取扱を開始した当初から、何かしてくれるような期待が感じられる蔵元です、と紹介していましたが、2010年、賀茂金秀は快挙を達成します。
毎年全国新酒鑑評会が行なわれる前に、広島県西条地区ではこの地区の酒蔵を対象にした品評会が行なわれます。西条地区は古豪や大手蔵が多く並ぶ、全国有数の大酒造地帯であるため、毎年非常に高いレベルで競われるのですが、その並みいる強豪を押しのけて、賀茂金秀は堂々首席1位を獲得しました。
その後、全国から引き合いが増え、日本酒ファンからも知られる存在になります。
現在では全国新酒鑑評会の上位入賞常連蔵の1つであり、出来の良い年には西条の鑑評会や広島県の鑑評会とのダブル金賞を獲得することもある実力蔵に成長。
広島酒の人気にとどまらず日本酒の人気を牽引してくれるような存在へ成長が期待できる酒蔵です。
*https://www.jizake.com/c/sake/kamokin/kamokin2 より
金光酒造 広島県東広島市黒瀬町乃美尾1364-2
ラインナップ
「賀茂金秀 桜吹雪」大吟醸 斗瓶取り
「賀茂金秀」辛口 夏純・純米吟醸 まったり コロナばいばい・特別純米 など
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