「ひなまんじゅう」
主な伝承地域 県央地域
主な使用食材 うるち粉、もち粉、砂糖、こしあん、片栗粉、食紅
歴史・由来・関連行事
県央地域は北上川流域で平坦な土地が多く、米、小麦、大麦、そばなどの栽培が盛んであったため、それらの粉を使った多様な料理が発達した。「ひなまんじゅう」は「はなまんじゅう」「花だんご」などとも呼ばれ、米粉でこねてあんを入れたまんじゅうを花、桃、木の葉、うさぎなどの形にしたもの。3月3日の桃の節句には「きりせんしょ」と共に供える。また地域によっては法事や彼岸の時にも供えられた。
花巻市大迫町はかつて三陸と盛岡を結ぶ街道の宿場町として栄え、江戸時代から代々受け継がれた貴重なひな人形が数多く残されている。そして桃の節句には、子供達が「おひなさん、おみせってくなんせ」と言いながら家々のひな人形を見て歩き、「ひなまんじゅう」をもらうのが風習となっていた。当時は子供や親戚に配るため、各家庭でひなまんじゅうを数多く作っていた。
食習の機会や時季
3月3日の桃の節句(ひな祭り)でお供えする。地域により法事や彼岸の時にも供えられる。
飲食方法
うるち粉ともち粉で作った生地に食紅等で色をつけ、中に小豆あんを入れる。木型や竹串、はし、はさみ等を使って花や柿や桃などの果物、うさぎ等の形に整える。形の種類は30以上存在すると思われ、今でも木型が販売されている。現在は昔に比べて大きさが小ぶりになっている。できたてより少し時間がたったほうが、生地が落ち着き、味がなじむ。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
家で作られることは少なくなったが、和菓子店や産地直売所で販売されている。ひなまつりにまつわる地域のイベント、花巻市「おおはさま宿場のひなまつり」や遠野市「遠野町家のひなまつり」の際には、行事食として提供される。また、ひなまんじゅう作り体験もよく企画されている。岩手県は郷土料理を伝承する人や団体を「岩手県食の匠」として認定しており、「ひなまんじゅう」についても「岩手県食の匠」がいる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/28_17_iwate.html より
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