「印度」
■印度りんごとは?
●青森県で明治時代初期に撒かれたアメリカ産の種がルーツ
印度は明治初期に青森県弘前市の菊池九郎氏の庭園に撒かれた種から育成された品種で、そのルーツには諸説あります。政府が青森県に最初にリンゴの苗を導入したのも丁度同じ頃で、共に青森県のリンゴ文化の元祖的な存在となっています。
名称の「印度」もその由来は種のルーツと共に諸説ありますが、南国インドにまつわるものではなく、アメリカのインディアナ州にまつわるもののようです。
そのひとつは菊池九郎氏が弘前市で東奥義塾を設立した際に講師として招いたジョン・イング氏が、母国アメリカのリンゴを紹介し、その種を撒いたというもので、そのリンゴがインディアナ州産だったとか。はたまた、そのジョン・イング氏の名前から付けられたという説もあり、様々な逸話が残っているようです。
この印度リンゴはかつて贈答用高級リンゴとして扱われ、一世を風靡した時代があったとされていますが、その当時の事を知っているのはもうおじいさん、おばあさんだけとなっています。今では非常に希少性が高いリンゴで、当時を知る方にはとても懐かしい気持ちにさせてくれるリンゴとなっています。
また、今日一般的に良く目にするリンゴの中には、この印度を親として生み出されたものも多く、王林や陸奥、東光などの交配親として知られています。
●印度りんごの特徴
印度リンゴの特徴は酸味が少ない事で、紅玉や国光などとは一線を画す存在だったようです。
形はやや縦長で、斜めにひしゃげたようなものが多く見られ、表皮の色は無袋の場合日光に当たった部分だけが赤く色付いています。一方有袋の場合は全体に赤くなるものが多いです。
食べた感じは、果肉がやや固く締りがあり、水分は少なめです。酸味はあまり感じられず、甘味が全面に出ている感じです。とは言っても、今日の上級りんごのような刺す様な濃厚な甘さというわけではなく、どちらかといえば滋味な甘さで、全体に少しボケた感じの印象を受けます。おそらく当時一般的に出回っていた甘酸っぱいリンゴが主流にある中ではこれが「甘いリンゴ」だったのでしょう。
■印度りんごの主な産地と旬
●主な産地と生産量
主な産地は青森県です。一時は消滅の危機にあったようですが、今日、昔を懐かしむ声などもあり、少し復活しているようではありますが、それでも栽培している農園は極僅かで、市場にも僅かな量しか出回っていません。
●印度りんごの収穫時期と旬
印度りんごは晩生種で、10月中旬頃から収穫が始まります。ただ、保存性が高く、収穫後2ヶ月程貯蔵した後の方が甘味が強くなるようです。食べごろは1月~3月頃となります。
*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/apple-Indo.htm より
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