「しょうゆの実」
主な伝承地域 芦安(あしやす)地域
主な使用食材 大豆、麦麹
歴史・由来・関連行事
「しょうゆの実」とは芦安(あしやす)地域で古くから伝わる大豆と麹を発酵させてつくる保存食であり、芦安地域ならではの郷土料理である。昔から芦安地域は傾斜地が多く、また高冷地にあるため通常の野菜の栽培や稲作には向かず、寒さに強い大豆などが多く栽培されてきた。各家庭で水でふやかした大豆で醤油をつくり、残った豆は「しょうゆの実」として栄養満点のおかずとなり、貴重なたんぱく源とし食べられていた。冬には欠かせない保存食であるため、醤油をつくらなくなった今でも毎年「しょうゆの実」をつくって大事に食されている。つくり方は各家庭によってレシピが異なることと、麹をつかった発酵食品のため、温度やつくり手のさじ加減により、味や香りも微妙に違う。
食習の機会や時季
大豆の収穫がはじまる10月頃よりつくられはじめるが、冬の保存食として食べられてきた。斜面の耕地で大豆と大麦や小麦栽培が多く、「しょうゆの実」はかつて麦ごはんにのせて食べられていた。
飲食方法
大豆を4時間ほど煮て1時間乾かし、麦麹を細かくしたものを混ぜ合わせ、木箱にワラを薄く敷き、厚さ3~4cm位入れる。大豆が少し隠れる位ワラを薄く敷く。タオル・毛布をかけ、木箱の中の温度を20℃位にする。豆から白いカビ(花)が出たら箱の下に敷いたワラをとりながら手を入れて混ぜ合わせ、またタオル・毛布をかけ、箱の中を20℃にする。数日後、白い花から黒い花になってきたら、豆をよく乾かしてできあがり。もどす時は、水と少量の酒の中にしょうゆの実を入れ、実が少し柔らかくなってきたら塩を少々入れると1週間位で「しょうゆの実」ができる。湯でもどすこともある。できあがりには、ねぎ、シラス干しなどを入れて食べる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
各家庭でつくられているほか、芦安地域にある旅館にて「しょうゆの実」が使われた郷土料理を食べることができる。また、地元メディアに取材されテレビ放送もされた。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shouyu_nomi_yama_nashi.html より
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