「割り干し大根のはりはり漬け」
主な伝承地域 三浦市
主な使用食材 大根
歴史・由来・関連行事
三浦半島の先端に位置する三浦市に伝わる郷土料理。地域の特産品である大根を、切り干し大根より太く切った「割り干し大根」にして、醤油やだし汁などの調味料に漬けたもの。
三浦市は三方を海に囲まれた街である。冬は暖かく夏は涼しいため、一年を通じてさまざまな野菜が露地栽培されているが、とりわけ大根は日本一の生産量を誇り、国の指定産地となっている。この地域では江戸時代にはすでに大根栽培が行われていた。明治後期、三浦の在来種と東京の練馬大根を交配して生まれたのが全国的に有名な三浦大根である。大正14年から東京市場に出荷される際に三浦大根と名付けられ、特産品として全国に知られるようになった。昭和50年代、台風で三浦大根が壊滅状態に陥ったことから青首大根が栽培され始め、現在では収穫しやすい青首大根が出荷量のほとんどを占めている。ただし今なお三浦大根には根強い人気があり、直売所などを中心に販売されている。
大根になじみの深い三浦市では、大根の調理法のひとつとして古くから割り干し大根が作られてきた。割り干し大根を使った定番料理がはりはり漬けで、パリパリとした食感が楽しまれている。
食習の機会や時季
三浦市における大根の収穫時期は11月~3月である。そのため地元産の大根を使った割り干し大根も冬に作られる。多くの農家で日常食として頻繁に食されている。
飲食方法
根元を切り落とした大根を縦に16~20分割し、2週間程度天日干しすると割り干し大根ができる。割り干し大根を昆布やスルメ、醤油などの調味液に漬けるとはりはり漬けの完成。地域や家庭によって、サザエやわかめなどの具材を入れたり、鷹の爪などでピリ辛にしたり、最近ではキムチの素を使って漬けるなど、さまざまにアレンジが楽しまれている。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
割り干し大根は神奈川県の農産物ブランド「かながわブランド」に登録され、地域の特産物としてPRされている。割り干し大根のはりはり漬けは地元農家にとっての日常食であり、各家庭で食されることで継承されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/35_14_kanagawa.html より
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