日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



一年を総括するような一本は、なぜか年末に降ってくる。
去年でいえば「夜顔」がそうだった。
ブニュエル臭を一瞬とはいえあれだけ濃厚に吸い込むとは全く予期しなかったのだ。


今年もまたそういう一本に今日出会ってしまった。
それは20日から公開されている「英国王 給仕人に乾杯!」。


タイトルからするとイギリスの映画かなと誤解しそうだが、実はチェコ映画。

一言に言うと、20世紀の究極に嵐だった時代に翻弄された一人の男の話。
その男は、チェコスロバキア人(当時)ながらナチス・ドイツ時代のドイツ人を妻にし、同国人からの迫害と逆転の優遇を僅かの期間に経験しつくす運命にあった。

この映画でぱっと思い出したのは、やはり時代に翻弄された「ブリキの太鼓」の歳をとることを拒否して少年のままあり続けたポーランド人の主人公。

だがこちらはそんな寓話にはいかず、主人公がたどる運命を現在・過去を行き来しつつ、提示していく。

この筆力たるや、かなりのもの。
ちょっとした小話からエロティックなシーン、戦慄のアイロニックなシーンまでを見事に描ききっている。
かなりのシーンが脳に焼き付いていてしまった(笑)

イジー・メンツェル監督は、チェコ映画を代表する世界的な巨匠だそう。
名作と言われている「スイート・スイート・ビレッジ」も観てみたいな~

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



     


 
編集 編集