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現代音楽家 フィリップ・グラスの作品。
彼の反復音楽の音といえば、ソロでのピアノによる作品群あるいは映画「コヤニスカッティ」を思い出してしまう。
特に後者では、96分にわたるエレクトロニクス全開ガチガチの、モノトーンな「音」郡 に気が狂いそうになった(笑)
が今回はMETオケ + 歌唱という、ヒューマンで多様な「音」による反復音楽。
この点において、5時間にわたる長時間の鑑賞でも十二分に楽しめた。
テーマとなるのは、ガンジー。
若き日の彼が、南アフリカに渡って経験した酷い現実の中、思想家として覚醒する様を描く。
これを、グラスらしい スペクタルな反復音楽で、ドラマチックに再現している。
直前の予告編「山本五十六」で極めて不快な印象が残っていた自分にとって、一般市民が巻き込まれる「戦争の痛み」から立ち上がるこのドラマは、非常に心に突き刺さるものがあった!
面白かったのが、歌手たちの歌詞の原語が サンスクリット語ということ。
これまでのライブ・ビューイングでは「歌詞」がロシア語だろうが何語だろうが、字幕で瞬時にわかることが、作品への理解を助ける重要なキーポイントだった。
ところが、今回は作曲者自らそれをほとんど不要であるとし、反復する音に身を委ねろ、という指示。
真逆なところが新しい!
いつも年末に「必見」と言いたい映画が、ひょっこり登場する。
が、ことしは映画ではなくて、これだったか!!
今週の金曜までの公開。
最後に。
裏舞台紹介で司会で登場するリングのアルベリヒ役 エリック・オーウェンズ をはじめとして、作品名を「サチャグラハ」と発音していた。原語は、Satyagrahaだから、確かに tya 部分はそう発音してしまいそうで、それも正しいかも?!