
始まって3分で既にChapter 3 に突入(全 × 9のうち)とは、何というスピード感!
そしてこの3章だけで、凄いフレーズが連発。
監督は普通は15秒勝負のCMプランナーだけに、やたらキレがいい。
それらは例えば、
ポジティブ、怖っ!
ポジティブ、感染るよ
つまり、この街(狭山)で生まれた時点で死んでるのよ。
私たちは生まれながらして、ゾンビっすよ
Born to be ゾンビっすよ
そして4分たって出る Chapter 4 のタイトルは「THE ありふれてる」
「君はここから出られないのだ、夏」
こうしてあっという間に、女子中学生4人の退屈な日常と心情がリンクする。
この短編映画(全長 27分)は、地方都市で実際に起こった事件にインスパイアされたもの。
どんな事件かは、この映画のタイトルに詳しい。
究極にシュールで、忘れられないシーンがある。
そこは、しまむら?、ヨーカドー?の衣料品売り場。
ソフトクリームを食べながら売り場を通過する4人。
すれ違った主婦たちが、主人公一人に白日夢を引き起こす。
彼らは言う。
「未来のお前らです」
彼らは各々、その退屈な日常を簡潔に述べつつ、ダサいポーズを。
だが締めは、
「でも、そこそこ幸せ~」
という超面白い作品に仕上がってるのだが、この背景が実は凄い。
監督は優秀なCMプランナーなだけでなく、カンヌ国際広告祭ヤングライオンフィルム部門で、日本人初のメダリスト。
これを受け今作は、次世代の映画監督発掘スカラシッププロジェクト「MOON CINEMA PROJECT」の第1回グランプリとして制作された。
インタビューによると、監督が次に撮るのは、2時間の長編とのこと。
期待、大!
結論:短編映画にもかかわらず、当ブログにも劇刺さり。
今年のベスト10圏内も?