タイトルの通り、著者はNYの地下経済(ミッドタウンとはいえ危ないエリア、ヘルズキッチン中心...)に潜入。
で、まずオープニングで驚く。
お金持ちの銀行マンの御嬢さんが、ポン引きの元締めとなることを決意(!)
全く罪の意識もないまま(汗)
自分がNYで成功するために、ということを理由に。
だけでなく、ヤクの売人と商売を開始(!)
NY好きとしては、読まずにいられない本。
の一方、上の冒頭の内容のように全編ポン引き・ヤクで満載。
読み進むのがつらくなってくる(笑)
本の中で点在する、この街をグッサリ表現していると判断した箇所を以下、抜粋。
(改行:当ブログ)
NYに関して相反する2つの考え
1つ目の考えは、グローバルな都市NYは無限のチャンスが転がっている街。
で、ろくに稼げない移民でも、のし上がってよりよい生活にたどり着ける
2つ目の考えでは、グローバルな都市NYは情け容赦ない階級社会の街。
で、勝ち組には社会的に大きな報いがあるが、負け組には二度と立ち上がれないかもしれない、
くらいのダメージを与える。
NYはチャンスはくれる。でも、なにも約束してくれない。
NYでは結びつきは目が眩むほどの速さでできていく。
でもその結びつきは長くは続かない。
成功のカギは、その場その場でできた社会的な結びつきを、使ったり捨てたりする能力にある。
実のところ、浮かぼうとした人の大部分は結局沈む。
成功というのが階級を移ることだったり経済的に豊かになることだったりする
ならなおのことそうだ。
シカゴでは、情け容赦なく野望を追いかけると、ご近所さんにふさわしくないと眉をひそめられる。
ニューヨークは違う。
ここではそういう行動にお墨付きがもらえてもっとやれと背中を押されるのだ。
この街は、おまえはそれでいいのか、自分に問いかけろとそそのかしてくる。
結論:NY好きとしては、読まずにいられない、この街のダークネスが浮かび上がる一冊。
(だが、読んでいる時は勿論、後味は「超悪い」ことは付記しておかなければならない 笑)