先だっての日曜日のことでございます。
私、娘を連れて電車に乗っておりました。
すると、70歳前後と思われる男性から声をかけられました。
「・・・こりゃ、バイオリンかのう?」
これはかなりフツウのことです。
ピアノ弾きは見ず知らずの方から「あなたはピアノやってるんですか?」と声をかけられることはまずありませんけど、
他の楽器、特に子どもが分数バイオリンなんかを背負っていた日には、ものすごく高い確率で声をかけられます。
その男性つづけて・・・
「お母さんも、バイオリンやっとるん?」
娘が答えます「お母さんじゃなくて、お父さん。お母さんはピアノ」(←ここだけきくと、いったいどんなご家族ですか?どこのオジョウサマですか?という感じ・・・汗)
男性「それはええ。いっぱいクラシック聴かせて育てるとええよ~。自分の音が聴こえるようになるまでには4~5年かかるけえね。それまで、辛抱していろいろ聴いとくとええよ~」
・・・・い、いまなんとおっしゃいました?・・たしか「自分の音が聴こえるまで4~5年かかる」と?・・・・
この方どういうお方かわかりませんけど、ちょっとハッといたしました。
そういえば、私、子どもの頃は自分の出している音は聴こえているようで、聴けてなかったような気がする・・・
「ちゃんと聴いて!」といわれても、聴こえなかったような気がする・・・
「そんな音じゃなくてって言ってるのに、なんで変わらないの?」と言われても、「先生はなにを言ってるんだ?!」とただただ腹が立ったような気がする・・・・
もちろん世間にはそうでない子が多いのかもしれませんし、私の耳があまりにも鈍感だったのかもしれませんけど、
はっきり言って、先生になにを言われているのか、何を怒られているのかわからぬままに時間が過ぎ、時が過ぎ・・・聴こえてきたような気がする頃はちょうどやめる時期になり・・・・
ソルフェージュや聴音ができなかったわけでなし、テレビやラジオからの曲も簡単なものならすぐ楽譜にできたし、で別に耳そのものが不出来だったわけではないと思うのですけど、
「自分が楽器を通して発している音」というものには、正直言って興味がなかったです。
「音の並び」とか「躍動感」とかそういうものは好きだったし、表現したいものはあったので、自分でも曲を書き散らしていたわけなんですが、「音」そのものには興味があったとは今振り返っても思えません。
教育や時代の違いはあるかもしれませんけど、娘はそういう私の遺伝子を引き継いでいるのはまず間違いなので、
今「汚い音」とか「荒い音」をいちいちあげつらって注意しても、それはおそらく自分にはフィードバックされず、怒りとストレスだけがたまっているのかもしれません。
たしかに今の彼女は「音の並び」と「躍動感」くらいだけに反応しています。音がきれいとかどうとかにはほぼ興味がない・・・
どのみち私のごとく、細く長く趣味で続ける音楽です。
気長に、そう、あと最低2~3年は待ってやろうと思いました。
どこのお方か存じ上げませんが、どうもありがとうございました。
私、娘を連れて電車に乗っておりました。
すると、70歳前後と思われる男性から声をかけられました。
「・・・こりゃ、バイオリンかのう?」
これはかなりフツウのことです。
ピアノ弾きは見ず知らずの方から「あなたはピアノやってるんですか?」と声をかけられることはまずありませんけど、
他の楽器、特に子どもが分数バイオリンなんかを背負っていた日には、ものすごく高い確率で声をかけられます。
その男性つづけて・・・
「お母さんも、バイオリンやっとるん?」
娘が答えます「お母さんじゃなくて、お父さん。お母さんはピアノ」(←ここだけきくと、いったいどんなご家族ですか?どこのオジョウサマですか?という感じ・・・汗)
男性「それはええ。いっぱいクラシック聴かせて育てるとええよ~。自分の音が聴こえるようになるまでには4~5年かかるけえね。それまで、辛抱していろいろ聴いとくとええよ~」
・・・・い、いまなんとおっしゃいました?・・たしか「自分の音が聴こえるまで4~5年かかる」と?・・・・
この方どういうお方かわかりませんけど、ちょっとハッといたしました。
そういえば、私、子どもの頃は自分の出している音は聴こえているようで、聴けてなかったような気がする・・・
「ちゃんと聴いて!」といわれても、聴こえなかったような気がする・・・
「そんな音じゃなくてって言ってるのに、なんで変わらないの?」と言われても、「先生はなにを言ってるんだ?!」とただただ腹が立ったような気がする・・・・
もちろん世間にはそうでない子が多いのかもしれませんし、私の耳があまりにも鈍感だったのかもしれませんけど、
はっきり言って、先生になにを言われているのか、何を怒られているのかわからぬままに時間が過ぎ、時が過ぎ・・・聴こえてきたような気がする頃はちょうどやめる時期になり・・・・
ソルフェージュや聴音ができなかったわけでなし、テレビやラジオからの曲も簡単なものならすぐ楽譜にできたし、で別に耳そのものが不出来だったわけではないと思うのですけど、
「自分が楽器を通して発している音」というものには、正直言って興味がなかったです。
「音の並び」とか「躍動感」とかそういうものは好きだったし、表現したいものはあったので、自分でも曲を書き散らしていたわけなんですが、「音」そのものには興味があったとは今振り返っても思えません。
教育や時代の違いはあるかもしれませんけど、娘はそういう私の遺伝子を引き継いでいるのはまず間違いなので、
今「汚い音」とか「荒い音」をいちいちあげつらって注意しても、それはおそらく自分にはフィードバックされず、怒りとストレスだけがたまっているのかもしれません。
たしかに今の彼女は「音の並び」と「躍動感」くらいだけに反応しています。音がきれいとかどうとかにはほぼ興味がない・・・
どのみち私のごとく、細く長く趣味で続ける音楽です。
気長に、そう、あと最低2~3年は待ってやろうと思いました。
どこのお方か存じ上げませんが、どうもありがとうございました。