有名な若手俳優のインタビューを聞いていると、
「俳優になりたての頃は、実力が無くて恥ずかしかった。この世界で食っていけないと思っていた。」と、言っていた。
危機感から相当な努力をしたのでしょう。 高倉健も同じような事をいっていた。成功した人は、ほとんど同じ事をいう。
自分も銀行員として人生を歩みだしてすぐにふがいない時代があった。 毎日毎日罵声を浴び、業後9時、10時からは居酒屋で説教されるという日が続いた。 酒もつまみも手をつけず、延々2時間罵声を浴び続ける。 情けなさが俺の心を覆い、いまのままではこの世界で確実に食っていけないとおもった。
周りはガキの頃から受験勉強をして難関を突破して来たような人間ばかり、そんな連中が目的の会社就職をして、それでも1年目で500人中100人が辞めていくような環境だから俺のような運動ばかりしてきた人間がはじかれるのは当然だった。 でも、
お先真っ暗、どうしようもない現実の中で、 追い込まれて、自分も相当な努力をした。
今までの人生で経験したことのない世界で何をしたらいいかも解らない中、できる努力を必死に続けた。
何が良かったかはわからなかったが努力が成果をあげ始めた、。数字が上がるようになり、徐々に周りから評価されるようにもなった。
昇進も遅れた事は無かったのだから順調だったと言っていいと思う。
しかし、銀行員としては順調でも俺全体としては順調ではなかった。
だから結果的に破綻した。 一山も二山も乗り越えて落ち着いて来れば来るほど心はむなしくなり努力の意味も感じなくなり、うれしい事が無くなっていく。 酒だけは毎日浴びるように飲んで連れ立ってはしごして歩いていた。 典型的な自暴自棄か。
当時は、好きな事を努力するのは簡単だ、嫌いな事を我慢して努力する方が大変だし「偉い」などと思っていたが、実はそうではない。
神様は楽しむ事を喜ぶ、などともいわれるが、楽しんでいるかどうか大切なのだ。
「脳は3層構造」で、最下層は爬虫類脳、本能的に好き嫌いを判断する。
いくら給料が良くても、職場の環境が良くても、順調に昇進しても、本能的に楽しくなければ良しとしないのだ。 脳がバラバラでは気持ちよく働かないのだ。
そういう状態が長く続けば破綻する。
今更ながら、自分の鈍感さと生き方の間違いがよくわかる。 いつかどこかで何か間違ったものがインプットされていた。
でも、インプットされた通りに動く優秀な脳を自分は持っている事は確実に言える。
それで、十分です。 有難うございます。