アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

和食を無形文化遺産にぃ?どこの国の料理でも無形文化財ではないか…?

2012年05月16日 | Weblog
「無報酬ですが…」という仕事の要請がまた増えてしまいまして…。我が家まで来て、カレンダーをのぞき込んで、「週に2日は、空いているじゃないですか!」…人の家のカレンダーに書き込んだ予定を見るなよなー…。
 ただ…、頼まれると、「No」と言えない困った性格…。そんなわけで、○○の総会、××の委員会と、会議が相次ぎ…会議後の懇親会そして二次会…。忙しいです。完全に無報酬の仕事のほかに、「交誼金」を徴収される仕事もある。無報酬なのにですよ…これが本当の、「泥棒に追銭」。

 昨日の総会後の懇親会は、林野庁(農林水産省の外局)OBの独擅場でした。「松」のテーブル(6人)で、そうそうたるメンバーの中に、なぜか私が。左隣が林野庁OB。彼は、カツラを被っておりました。彼の潔さというか、いい人だなと思える点は、「明らかにカツラと解るカツラを被っている」という点です。そこまで潔いのであれば、カツラなしでもいいだろうとも思いますがね。

 どんな独擅場だったか?
 「熊除けのスズを付けると、熊が後をつけてくるよ」というような、通説とは逆の話を次々と出す。熊、鹿、カラス、イタチ、ウサギ、ドブネズミ…。林野庁のお役人として日本中の山を歩いてきただけに、話題は無尽蔵。
 マユツバ話も混じるので、松の席の面々は、なかばあきれ顔。しかし、私には興味深い話でした。と、いうのは、全ての話が、「食」に通じていることが解ったからです。もちろん、OB氏はそんなことなど気にしちゃいない。
 「熊除けのスズを付けると、熊が後をつけてくる」という話と、「食」が関係あるのかって?
 「熊除けのスズ=人間。人間=飲食物を携行している。清涼飲料水の空きボトル、空き缶を捨てる。後を付けると、大好物の清涼飲料水の甘みを味わうことが出来る可能性がある」
 と、まあこのようなことですね。イタチを竹筒で捕る話には、一同マユにツバを付けておりました。私は知っていましたけどね。竹筒の奥にエサを入れておくと、イタチが入り込みます。ところが、イタチは、「後ずさりできない」。40cm程の竹筒(端が節になっていなければなりません)と、エサだけでイタチが捕れるのです。捕ってどうするかって?高価で売れる時代があったのです。

 文化審議会が、ユネスコの無形文化遺産に和食の登録を提案することを決めました。熊やイタチからいきなり、文化審議会かって?飛躍していますかねえ?

 無形文化遺産に和食の登録を提案する理由は…
 「和食は、自然を尊重する日本人の基本精神にのっとり、地域の自然特性に見合った食の慣習や行事を通じて家族や地域コミュニティーの結びつきを強める重要な文化」

 この提案理由、中華料理にも、韓国料理にも、動物の「食」にもあてはまる。
 「エサは、自然を尊重するイタチの基本精神にのっとり、地域の自然特性に見合った食の慣習や行事を通じてイタチの家族やイタチの地域コミュニティーの結びつきを強める重要な文化」
 熊も鹿も、カラス・イタチ・ウサギ・ドブネズミ…それぞれエサを、ユネスコの無形文化遺産に登録したらおもしろいのに。「生きる=食べる」ですから。

 和食の登録を提案するのは、それはそれでいいと思います。和食と日本人の暮らしについて歴史を振り返る。これは、おもしろいです。あと、食の文化を育んできた日本の自然と人間の関わり、これは物語ができあがります。熊や、イタチは物語までは書けませんから。差をつけなければね。