フィリピンでなにがあったか…忘れません

　この違いってなんなんだろうと思いました。
　いつまでも、かの戦争に関わることを理由に反日、抗日…。「もういい加減にやめてくれーっ！」と、正直思います。そのような国々もあれば、フィリピンのような国もある。

　大戦中に戦没した日本人は、５１８,０００人。戦闘に巻き込まれるなどして死んだとされるフィリピン人は、１,１１０,０００人。…天皇陛下ご夫妻がフィリピンを訪問されたので、この数字をあらためてかみしめたのですがね。この膨大な数字の一つ一つに…かなしい物語がある。
　日本人を憎んだフィリピン人も少なくなかったと思います。しかし、現在は、「許している」。ありがたいことです。

　大岡昇平さんの「野火」・・・フィリピンのレイテ島。病気になった兵士が、分隊長にいわれた。
　「役に立たねえ兵隊を、飼っとく余裕はねえ。野戦病院で受け入れてもらえなかったら死ぬんだよ。手榴弾は無駄に受領してるんじゃねえぞ。それが今じゃお前のたった一つの御奉公だ」
　この部分、「楢山節考」と重なりました。あと、今思うんですけど…人間って使いものにならなくなったら…手榴弾はともかく、山に置き去りにされても人里に下りられないわけで…。邪魔にされ、粗末に扱われ、虐待され…自殺しようにもその術を考え実行する力はすでになく…「野火」の冒頭…重いです。
　大岡さんご自身も、「フィリピンの戦場で手榴弾で自ら死のうとした（戦争：岩波書店）」。家族の写真に別れを告げ、起爆させようとしたが、不発弾だったという…。

　フィリピン…今更ながらですが、１,１１０,０００人のフィリピン人が犠牲になった。天皇陛下は、現地での晩さん会で、「私ども日本人が決して忘れてはならないこと」と語られた…。

　だけど、繰り返しになりますが、かの戦争に関わり今なお反日、抗日の国々もあれば、フィリピンのような国もある。この違いって何？真相など、誰も解らないのでしょうがぁ…。
　私の考えは、「宗教」。「右の頬を打たれたら左の頬を差し出しなさい」「下着を取ろうとする者には、上着をも与えなさい」という宗教…。
　フィリピンの宗教は…国民の９０％がキリスト教（東南アジアでは唯一。残りの１０％はイスラム教）。このあたり、無関係とは思えません。