アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

赤ちゃんにビンタ

2017年11月05日 | Weblog
 頭では、「ネパールとブータンは全く別の国」なんですが、「ヒマラヤの麓の国」という点で、ともすれば同じように見てしまいます。そして、「ぜんぜん違うじゃないか!」と、我にかえって思う。

 全然違う…喫煙ですね。ブータンは、世界初の禁煙国家(2004年12月から)です。たばこの販売も禁止されている。日本から持ち込んだたばこを、ホテルでこっそり吸ってもいいかって?禁固刑になりたければ、バンバン吸ってください。禁固刑ですから、吸うバカはいない。もっとも、禁固を覚悟でタバコを吸うような輩はブータンへは行かないね。
 ところが、ネパールは喫煙天国。一応、喫煙スペースのようなところを設けているところもあるが、屋外であれば吸い放題。鼻の穴から吸っても咎められない。でも、ネパール人がタバコを吸っているところは見ませんでした。どこでもかしこでも喫煙しているのはぁ…日本人。

 「ネパールは義務教育ではない」と、書きました。間違いでした。訂正してお詫び申し上げます。な、な、なんと、2016年6月末(1年4か月前)に、ネパールで教育基本法が改正され、基礎教育8年(1~8年)が無償義務教育となったのだそう。まあ、まだ国民に浸透していないということでしょう。現地ガイドが、「ネパールは義務教育ではない」と、言っていたし、ミニトレッキングについて来た子どもたちも、10人中9人は「学校へは行っていない」と言ってました。
 「ブータンはどうなんだ、全然違うんだろう」って?そうなんです…ブータンは未だ義務教育ではないんです。公立学校は無料。首都ティンプー以外は、「学用品、給食も無料」。制服はない。で、識字率なんですが、ネパールと変わりないんです…50%。この部分は、似かよっていますかねぇ。
 
 ブータンと、ネパールの決定的違い、それは、「物乞いがいるかいないか」ですね。ブータンには物乞いがいない。観光客目当ての「物売り」もいない。
 と、ところがネパールでは…怒りをおぼえました。何を見たか…

 8歳ぐらいの女の子が、赤ちゃんを抱いて物乞いをしていました。それを見ただけでも悲しかった。近くで(娘の稼ぎを)監視していた母親(とおぼしき女)を、殴ってやろうかとさえ思いました。
 私は、見ないふりをして女の子の様子を注視しておりました。誰からも施しをもらえない女の子は、誰も見ていない事を確認し、左手で抱いていた赤ちゃんの頬を、右手で「バシッビシッ」と、数回ビンタしたのです。ビンタの一発目では、「何が起こったか分からなかった赤ちゃん」は、二発三発で、ギャーっと泣き出した。周囲の人は何が起こったか、女の子と赤ちゃんに視線を注いだ。そこで女の子は、「(赤ちゃんは)腹がへって泣いている。食べ物をくれ!」というジェスチャー。

 これは…。日々の暮らしで、怒りをおぼえる事は数多あります。だけど、赤ちゃんを「叩いて泣かせて憐れみを乞う」。怒りの次元が違う。ネパール旅行で、もっとも衝撃を受けた出来事です。