アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

通学路で危険ガス発生

2017年11月17日 | Weblog
 人口200万人を少し切る地方都市(政令指定都市)で、授業をしました。大変好評でした。自分で言うなって?本当なんだから仕方がない。謙遜の美徳は知っているが、「口先では謙遜しながらも、腹の中では、『この私が授業で失敗するはずないだろう』と思っている自分がはずかしい」。よって、いつも自信があるので、いつも謙遜しない。…軽い冗談ですから。
 で、小6児童に、「外国人観」を尋ねたら…
 「でかい」「金髪」「皮膚の色」「トランプ大統領」・・・
 「外国人=白人か黒人」というイメージなんですよ。78名の児童で、モンゴロイドの人々をイメージした児童は(表面的には)皆無。配置されているALTの関係かもしれませんがね。

 つまり、街に溢れている、「中国人」「韓国人」「台湾人」は、外国人の範疇には入っていない。アセアン諸国の人たちは、日本人とは違う顔ですが、このあたりはどう映っているのでしょうかねえ。
 で、私の自作スライドショー教材に、「あなたも一人の地球人」が、あります。自作教材は、およそ十種類あります。製品化され全国に売り出される予定の教材は、今のところありません。ないなら、わざわざ書くなってかぁ?

 「あなたも一人の地球人」。制作の意図は、「イジメは学校、つまり、狭いコミュニティで起こる。学級だけがきみたちの「場」ではないんだよ。日本、アジア、いや地球がきみたちのフィールドなんだよ。という、グローバルな視点をもたせることで、イジメの壁を倒して、橋にしようということ」どうですか、この崇高さ!DVD製品化も近いかな。

 さてさて、人口3,494人の日本最小の「U市」のU小学校3年生の教室。
 「モロッコのザヒラちゃん(12歳)は、生きた鶏をもって片道22kmの通学路を登校する」の話題を出しました。
 「その鶏、どうするんですか?」女の子から、すぐさま質問が出た。
 「あっ、分かったぁ!」と男の子。
 クラスに数人は、分かりもしないのに、「分かったぁ」とか、知りもしないのに、「あぁ、知ってるぅ!」という子がいるものです。そういう子達には…
 「言ってみろ、分かったんだべっ!知ってんだべ!コラ!」と、言って泣かせます。冗談です。たいてい無視します。

 さて、鶏に話を戻しまして、「あっ、分かったぁ!」の男の子に、鶏をどうすると思うかを発表してもらいました。
 「ガスが出ていたら、鶏が教えてくれるから」
 教室内が静まりかえりました。授業参観の市民や教職員も一瞬固まりました。私は、その子が何を言いたいかすぐに分かりました。
 つまり、22kmも歩くので、途中で有毒ガスが発生している箇所もあるんじゃないか。鶏をもっていると、鶏がガスを検知してくれるので、安全に学校へ行ける。というわけ。

 この発想はどこから来たのか?実は、U市は、元産炭地でした。炭鉱では、「ガス突出」「山はね」という命に関わる事故がある。ガス検知とか、酸欠検知といえば、「カナリヤ」が有名。しかし、BUT、カナリヤは高価。そのため、カナリヤの代役として鶏を坑内に持っていったんじゃないか。その話を当時の炭鉱夫、今では80歳を過ぎている方が、孫、曾孫に話して聞かせてきた。小3男児も、何度もその話を聞いたに違いない。彼の前頭葉には、「鶏=ガス検知」が、彫刻刀で彫ったかのように刻まれているわけ。

 えっ?それで正解なのかって?あ、あのね、地球上のどこを探しても、通学路での有毒ガス検知の為、「生きた鶏を持って通学する」って事はありませんから!正解なわけないでしょう!通学路でのガス発生は、前を歩く子のオナラぐらいのモノ。そんなもの、屁でもありません。(うまいっ!)
 で、正解を発表するんですか?では…。モロッコのザヒラちゃんは、月曜日に生きた鶏を持って22kmの道のりを登校します。月~木までは帰宅せず、学校の寄宿舎に泊まります。金曜日の放課後、22kmの道のりを帰宅します。なぬ?「寄宿舎で、鶏を食べるんだろう」だって?違います。
 月曜日、登校途中にあるマーケットに寄って、「お菓子と交換する」のです。寄宿舎での楽しみの一つに、友達と食べる「お菓子」があるのですね。ほのぼのとしたあたたかさを感じます。お菓子が楽しみなんて…いいと思います。