夫、84歳。妻、73歳…およそ100坪の土地と昭和41年築の住宅がある。2人暮らし。悩みは、夫の死後の妻の暮らし…。夫は言う…
土地も家も放棄したいんだ。私が死んだあと、妻は月5万円の年金で暮らしていかなければならないが、暮らしていけっこないでしょう、5万円では!
民生保護(生活保護費のことらしい)をもらわなければ暮らせない。だけど、100坪の土地を持っていると、保護費をもらえないでしょう。一時期、坪20万円した土地だけど、今はタダでもほしがる人などいない。私の死後、市に寄付するという遺言を書いておこうと思っているが…。
土地さえなくなれば、妻は、5万円の年金と民生保護をもらって、市営住宅に入って暮らしていける…。
子どもさんはいないんですか?
43歳の女の子がいる…言っていいのかなあ(奥さんを見る。奥さんは無表情)。…娘は養子なんだけど…養子縁組をしていないんだ。だから、戸籍上は、子どもはいないことに。それに、家内の面倒を見てくれと頼んでも…どうせ、ケンカ…。
貯金は、ないんですか?
あったよ。収入は、2人の年金を合わせても、10万円そこそこ。貯金を少しずつ切り崩しているうちになくなってきている。だけど、葬式代は残してある。私の葬式は、一番安い棺桶でいい。(葬式感をひとくさり)義姉の葬式の時は40万円かかった(120万円かかったが、香典が80万円だったので差し引き40万円。84歳とは思えない頭脳の回転)。
この老夫婦のような立場におかれている人…多いんじゃないかなあ。そして、今後ますます増えていく。
公民館で、偶然会った知人と一緒におられた老夫婦。早い話が、赤の他人との立ち話なのですが、相談を持ちかけられたわけで、なんらかの「回答」をしなければなりませんでした…。
第一に、土地は、不動産屋さんにお願いして売る手はずを整えたらいいと思います。99.99%売れないでしょうが、万が一ということもありうるから。
第二に、2人とも、「死後は、土地を市に寄付する」旨の遺言を書いておいてください。公証役場を通すとお金がかかりますから、自分で書けばいい。「遺言の書き方」という本に、「このように書けば良い」という見本が付いているからその通りに書く。そうすれば、「公的に」通用する遺言となります。公証役場へは行かなくてもいい。なぜ2人とも書くか?どちらが先に死ぬかわからないから。年齢順に死ぬとは限りませんから。但し、市はその土地の寄付については、採択しないでしょう。使い道のない土地をもらっても、お金がかかるだけでしょう。
第三として、土地があっても、売れる見込みがないと判断された場合、生活保護費はもらえますよ。ですから、「土地を処分する」ことに気を取られなくても大丈夫。
第四として、84歳で、健康かつ頭脳明晰。奥様も、お元気。これって素晴らしい事じゃないですか!幸福な人生を過ごされていますよ。奥様を気遣って、自分が動けるうちに何とか道筋を付けようとしている御主人、素晴らしいです。
老夫婦…涙を流しておられました…。「何だか安心した」と、公民館から雪道へ出かいく後ろ姿は、生き生きしていたような…。
土地も家も放棄したいんだ。私が死んだあと、妻は月5万円の年金で暮らしていかなければならないが、暮らしていけっこないでしょう、5万円では!
民生保護(生活保護費のことらしい)をもらわなければ暮らせない。だけど、100坪の土地を持っていると、保護費をもらえないでしょう。一時期、坪20万円した土地だけど、今はタダでもほしがる人などいない。私の死後、市に寄付するという遺言を書いておこうと思っているが…。
土地さえなくなれば、妻は、5万円の年金と民生保護をもらって、市営住宅に入って暮らしていける…。
子どもさんはいないんですか?
43歳の女の子がいる…言っていいのかなあ(奥さんを見る。奥さんは無表情)。…娘は養子なんだけど…養子縁組をしていないんだ。だから、戸籍上は、子どもはいないことに。それに、家内の面倒を見てくれと頼んでも…どうせ、ケンカ…。
貯金は、ないんですか?
あったよ。収入は、2人の年金を合わせても、10万円そこそこ。貯金を少しずつ切り崩しているうちになくなってきている。だけど、葬式代は残してある。私の葬式は、一番安い棺桶でいい。(葬式感をひとくさり)義姉の葬式の時は40万円かかった(120万円かかったが、香典が80万円だったので差し引き40万円。84歳とは思えない頭脳の回転)。
この老夫婦のような立場におかれている人…多いんじゃないかなあ。そして、今後ますます増えていく。
公民館で、偶然会った知人と一緒におられた老夫婦。早い話が、赤の他人との立ち話なのですが、相談を持ちかけられたわけで、なんらかの「回答」をしなければなりませんでした…。
第一に、土地は、不動産屋さんにお願いして売る手はずを整えたらいいと思います。99.99%売れないでしょうが、万が一ということもありうるから。
第二に、2人とも、「死後は、土地を市に寄付する」旨の遺言を書いておいてください。公証役場を通すとお金がかかりますから、自分で書けばいい。「遺言の書き方」という本に、「このように書けば良い」という見本が付いているからその通りに書く。そうすれば、「公的に」通用する遺言となります。公証役場へは行かなくてもいい。なぜ2人とも書くか?どちらが先に死ぬかわからないから。年齢順に死ぬとは限りませんから。但し、市はその土地の寄付については、採択しないでしょう。使い道のない土地をもらっても、お金がかかるだけでしょう。
第三として、土地があっても、売れる見込みがないと判断された場合、生活保護費はもらえますよ。ですから、「土地を処分する」ことに気を取られなくても大丈夫。
第四として、84歳で、健康かつ頭脳明晰。奥様も、お元気。これって素晴らしい事じゃないですか!幸福な人生を過ごされていますよ。奥様を気遣って、自分が動けるうちに何とか道筋を付けようとしている御主人、素晴らしいです。
老夫婦…涙を流しておられました…。「何だか安心した」と、公民館から雪道へ出かいく後ろ姿は、生き生きしていたような…。