アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

菅さん恥の三部作…「恥知らず」「恥の文化」「恥の上塗り」…

2011年07月10日 | Weblog
 私の得意とするところの一つに、「ルース・ベネディクトの『菊と刀』」があります。「なにぃ?ルーズベルトがそんな本を書いたか?」と、言う人がおりました。確かに(語感は)似ていますが、「ルース・ベネディクト」と「ルーズベルト」は、別人ですので、念のため。

 ベネディクトさん(女性)は、欧米の文化を「罪の文化(guilty culture)」、日本の文化を「恥の文化(shame culture)」と、対比させました。
 「恥の文化」では、正義より名誉が優先され、個人の道徳心は、他者により左右されてしまう…。私は、個人の道徳心については、「問題」ではなく、むしろ「長所」だと思うのですがね。(このことを書き始めると、今日のテーマから外れますので割愛)ともあれ、ベネディクトさんの指摘の支持者であることは今も同じです。
 「恥の文化」を、「恥ずかしい文化」だとか「恥ずべき文化」と捉える人もおられるようですが、違いますので…そこんとこよろしくお願いいたします。

 著名な学者でさえ、「日本文化を恥の文化とするからには、賞賛される恥やその他の多様な現象形態にも適用されうる恥の概念を構成する必要がある。いいかえれば、いっそう基底的な層において、恥をとらえねばなるまい」…だって!
 「菊と刀をよく読めよ!」と言いたいですね。ベネディクトさんは、恥の研究者じゃないのです。文化人類学の学者さん、つまり「文化」を研究した人です。「恥」はあくまで記号であって、「本質」ではないのです。

 久々に、「恥の文化」と言う言葉を聞きましたよ。だれが言ったか?御存知、「菅首相」。どんな風に恥の文化という言葉を使ったか…

 衆院本会議(7月8日)で、「自民、公明両党にも福島第1原発事故の責任の一端がある。(自分に)すべての失政を押し付けて、責任を免れようとすることは、恥の文化に反する行動だ」。
 菅さん、日頃から「菊と刀」を読んでいるのではなく、原発の再稼働をめぐり「ストレステスト(耐性評価)」実施を唐突に打ち出すなどの一連の対応を、自民、公明両党から「恥知らずだ」と批判されたことが、「恥の文化に反する」という発言の引き金。
 ただ、これだって、「責任転嫁」。「恥の上塗り」という言葉も日本にはあります。

 菅さんから、「恥の文化に反する行動」という発言が出たわけですが、「恥の文化」の解釈はこれでいいのか?失礼ながら、ベネディクトさんの、「恥の文化」については全く御理解されておられない。「文化」をくっつけたばかりに、私に批判される結果になってしまいました。

韓国にできるのだから日本にもできるはず

2011年07月09日 | Weblog
 OECDの学力到達度調査(PISA)の「デジタル読解力」で、韓国が第一位。日本は、ニュージーランド、オーストラリアに次いで、第四位でした。デジタル読解力まで、韓国の後塵を拝するとは。学びの意気込みがちがいますから、出てくる結果にすぐに表れてくる。
 それにしても、韓国は勢いがあります。家電や車は、すでに安定して強い。スポーツも。ゴルフが強い!完全に、日本を越えてしまってます。芸能における日本への攻勢もすさまじい。少女時代にKARA。さらに、男子のユニットが猛攻をかけてきている。韓流ドラマしかり。

 韓国で漢字が通じなくて困った話を書いたことがありますが、40歳未満の人は漢字が解らないと思って間違いないです。1980年代に漢字教育を禁止しましたから。1990年代後半から、漢字復活を求める声が勢いを増し、1998年に漢字復活宣言が発表されています。但し、義務ではないので漢字を教える学校は殆どない。漢字の必要性を感じる韓国人は子供を漢字塾に通わせています。

 それで、韓国では漢字教育をしなくなった代わりに、英語教育に力を入れてきました。その成果として、1996年までは日本同様、「英語がダメな国」だった韓国が、現在TOEIC平均スコアは日本よりも40点も高い。これは水が開きましたね。ゴルフ・芸能・自動車・家電…そして、TOEIC。

 英語ができなければ話にならないことについて、「なぜ?」という質問は今やないでしょう。25年以上も前から私が主張していましたから。
 韓国は、国内総生産の80%以上を海外貿易に頼っています。英語ができないと生きていけない。つまり、韓国にとって英語は「生きる手段」なのです。これ、日本も同じ。ユニクロ、楽天が、「英語公用語化宣言」しましたが、ようやく日本の企業も英語に真剣になってきました。すでに韓国に遅れをとっているけどね。

 韓国ではいまや、「競争相手は韓国内ではなく、ドイツや日本など海外勢」との意識が強いです。例えばサムスンの場合、競争相手はLG電子ではなく、ドイツのシーメンスや日本の日立製作所・ソニーです。サムスンの幹部社員から、「金の栞」を頂戴した私が言っているのですから間違いありません。国際的な英語力の指標となるTOEICのニーズが高まっているのも当然なのです。
 
 日本の小学校で、英語(外国語と呼んでいる)の必修化が始まりました。このことについて、私は批判的な見解を発表してきました。
 「英語ができないと生き残れない」という論調なのに、なぜ小学校での英語の必修化に批判的か?これまでいろいろ書いてきましたが、「英語が重要」であることについては間違いありません。英語教育の内容がダメと言っているのです。 韓国のように本気で、「国を挙げて英語力強化に取り組んでいる」とはとても思えない。ALTを招聘して、英語に親しむゲームをやって満足している。甘いです。勝負になるはずがない。

 韓国の小学校・中学校の英語教育の内容も驚くばかりですが、親たちも必死です。どのようにして我が子に英語をマスターさせようとしているか?
 父親は韓国で働き、母親は子供を連れてアメリカへ渡ります。数年アメリカで小学校・中学校へ通っているうちに英語を覚えます。これほどまでに頑張っているのです。日本の親でも、我が子をアメリカへ行かせる人がおりますが、数は韓国の比ではありません。

 「大切なのは、TOEICのスコアではなく、国際人の育成だろう!」…これは正しいです。だけど、国旗・国歌を満足に教えない国に、国際人を育てられますか?だったら、とりあえずTOEICのスコアを上げることを考えたらいいんじゃないの!
 それにしても、韓国のハングリー精神に基づく各分野での頑張りは素晴らしい。…韓国に出来て日本に出来ないはずはないと思うのですが…。

カキノタネはマグロだった!

2011年07月08日 | Weblog
 出世魚といえば、ブリ、ボラ、スズキ、マイワシと相場が決まっている。
 スーパーの鮮魚売り場で、「メジ」を発見。数人の買い物客が集まった。「メジって何?」と言う声が上がり、見知らぬ同士が盛り上がっていた。そこへよせばいいのに、私が口を挟んだ。「メジはマグロの子。マグロも出世魚なんですよ!」と、言ったところ、「何を言い出すやら…」という視線。折角、無料で新しい知識を教えてあげているのに…!
 出世魚決定機構(あるのか?)の決め方とは違うかも知れないが、「成長に伴って呼び名が変わる」と、いうことでは、マグロも立派な出世魚なのです。

 秘蔵の「本朝食鑑」には・・・「…二、三尺を『目鹿』、四、五尺を『真黒』、七、八尺以上を『鮪(しび)』と呼ぶ…」と、書かれています。元禄時代からすでに出世魚として知られていたことが分かります。

 現在は、「ヨコワ」→「メジ(北日本ではゴンタとも)」→「中坊(または小マグロ)」→「マグロ」という名前の変遷を辿ります。

 縄文時代の貝塚からマグロの骨が出土していますから、日本人発生当初からマグロを食べていたことが解ります。古事記や万葉集にも、「シビ」の名で登場しています。古語辞典に、「しび『鮪』…マグロの大きなもの」と出ています。
 我が家ではマグロはヅケにしていただきます。「冷凍ならともかく、高価なものをヅケにするのはもったいない」という見方もあるようですが、ヅケにすると旨みは一層上がります。古人の智慧であるヅケは、単に保存の意味ではなく、味が良くなるものでもあったのです。  

 マグロは、古くから日本人に身近にあった魚だけに、その呼び名の多さも日本一ではないかと思います。いや、日本一でしょう。

 アイウエオ順にしなければならないほどの数の多さ!
 イモシビ、ウシシビ、ウメゾメ、ウラマワリガツオ、オオシビ、オオタロ、オオマグロ、カタマ、カンバ(大阪で獲れるマグロ?カンバ大阪なんちゃって!)、クロ、クロシビ、ゴトウ(後藤さんがの命名か?)、ゴトウシビ、ゴンタ(たぶん漢字で書くと権太)、ゴンダ、サンダ、シビ、シビツ、シビツユ、セナガ、デンボ、デンボク、トウツケ、トヨマ、ニンダ、ハツ(心臓か!)、ホンシビ、マゴロ、ムツ(六つ?)、ヤツ(八つ?)、ヨカゴ、ヨツ(四つ?)、ヨツワリ。 

 まだ若いマグロの呼び名は、カキノタネ(カ、カキノタネはマグロだった!)、コシビ、コチウ、コビン、コメジ、シビコ、シンマエ、マメジ、メジ、メジカ、メジカッコ、メジマグロ、ヨコ、ヨコワ…。

 マグロには呼び名が多い。だからなんなんだって?深い意味などありゃしない。 私がスーパーの鮮魚売り場を和ませようと、「マグロ出世魚説」を開陳したのに、疑う輩がいたものでつい…。

復興大臣で、復興が遅れる…?

2011年07月07日 | Weblog
 もう辞めたし、メディアが散々批判したのでどうでもいいことかも知れませんが、腹の虫が治まりません。
 松本龍前復興対策担当相です。暴言映像は、多くの国民が観たと思います。温厚な私ですら(自分で言うあたり、本当に温厚)、随分久しぶりに腹が立ちました。
 およそ30年ほど前までは、許認可権を持っている連中はあのような態度でした。ですから、懐かしくもありました。現在でも、許認可権を持っている連中に、あのような態度をとる者がおりますけどね。…政令指定都市の役人で、「看板の設置許可」を与える部署に勤務する、20歳代前半の知人がおります。彼は、「会社社長が、看板の設置について要望してくるけど、気に入らない奴は怒鳴りつけて追い返しますよ」と。これだもの、贈収賄がなくならないはずです。それにしても、ケツの蒼いガキに怒鳴りつけられて追い返される社長さんたちが可哀想。

 <松本前復興相の発言とアンティークマンのツッコミ…>
 「うちのチームは多分戦後始まって以来、こんなに各県、各市町村と寄り添ったチームはないくらい、素晴らしいチームだから」…チームのキャップテンが、「寄り添ってない」だろうがっ!

 「…孤立死をさせないためにみんなで昼飯食べましょうとか、ね。みんなで食べましょう仮設作ればいいじゃん」…復興大臣が、「みんなで食べましょう仮設作ればいいじゃん」。なんなんだこれ!みんなで昼食を食べれば、孤立死しないのか?あと、「じゃん」が良くない。九州の人間は「じゃん」は言わんじゃん!

 「…県で(漁業者の)コンセンサス得ろよ。そうしないと我々何もしないぞ。だからちゃんとやれ」…恫喝と命令でしょこれ。大臣はそれほど偉いのか?

 「今、後から(宮城県村井知事が)入ってきたけど、お客さんが入ってくる時は、自分が入ってからお客さん呼べ。いいか。長幼の序がわかっている自衛隊ならそんなことやるぞ(村井知事は自衛官出身)。分かった? しっかりやれよ。最後の言葉はオフレコです、いいですか、(メディアの)みなさん。書いたらその社は終わりですからね」…復興大臣と、被災地の知事の会談ですよね?復興大臣って、お客さんなの?あと、メディアへの脅し…カダフィになったつもりカヨ!

 ホント腹が立つ奴ですが、私が激怒したのは、岩手県庁での達増拓也知事との会談へ向かう際のこと…。直立不動で出迎える達増知事。復興大臣はというと、な、な、なんとサッカーボールを手でドリブルしながらの登場。なんなんだ!そして、「受け止めろよ!」と怒鳴って、ボールを蹴った。ボールは弧を描いて、達増知事の胸へ。不意を突かれた達増知事は、もちろんハンブル…。恐縮する知事、意地悪なうすら笑いを浮かべる復興大臣…。この状況に腹を立てない日本人へは、お説教をしてあげたいです。

 あの日から血圧が下がらないのです。辞めてくれたので少しは溜飲が下がりましたが…興奮はまだ冷めません。
 それにしても、現状打破の切り札とも言うべき、復興大臣…。日本には人材がいないってことか?復興大臣の新設で、復興が遅れる…皮肉なことです。

生体腎移植の禁止…

2011年07月06日 | Weblog
 「臓器売買事件」と聞くと、5年ほど前の、「宇和島徳洲会病院事件」を思い出します。主犯(生体腎移植を受けた男と内縁の妻)がドナーへ支払ったのは、「現金30万円と新車」。2個あるとはいえ、自分の腎臓をお金に換える。腎臓がほしい人と、お金が欲しい人がいたから、お互いが良かった…。それにしても、30万円と新車かよ!…そ、そういう問題じゃないですね。

 この度は、医師と暴力団員が養子縁組を装ってドナーとレシピエントになった(最初のドナー予定者と実際のドナーとは違う)。倫理指針の網をすり抜けるなどは、その筋の人にはお手の物。結婚や養子縁組を通じた身分偽装は朝飯前。チェックはどうなっていたのでしょうか?はっきりしています。逮捕された2人の年齢差などを見れば、養子縁組が臓器移植を目的としているということは明らか。それにもかかわらず移植が行われたわけで、チェックが甘いなんてもんじゃない。ノーチェック同然。これでは、暴力団が臓器ビジネスに本格参入してきます。資金源獲得に躍起になっているのだから。
 この度の事件でも、1000万円を支払っているが、最初のドナー予定者(元暴力団員)には数十万円しか渡っていなかった。つまり、1000万円の殆どが組に流れていた。

 倫理指針は、「6親等内の血族か、配偶者と3親等内の姻族」「未成年者はドナーになれない」など。審査は医療機関任せ。「書類がそろっていれば、患者や家族を疑うのは難しい」という話も…。

 中国の高校生が、自分の腎臓を売ってiPad2を購入したことが分かった。iPad2ってそれほどの魅力があるものだったのか!
 貧困、iPad2、臓器売買ブローカー、腎臓手術無許可の病院での摘出…もう、何が何だか解らんもんね状態。

  生体腎移植を禁止する…そして、死体腎移植に限定するしか対策はない。しかし、死体腎移植でも約1割の人は移植した腎臓が体に適応しないという…。

クオータ BUSING・・・

2011年07月05日 | Weblog
 「クオータ制」…初めて耳にしたときは、「議員の4分の1は女性に」ということかと思いました。「クオータ」は「 quota 」で、「4分の1」の「クォーター(quarter)」とは違いました。quotaの意味は、「割り当て(分配)」。

 日本では、「クオータ制」に馴染みがない。私が知ったのは、ボストン郊外の白人が殆どの学校へ、ボストン中心部の黒人が多い地域から黒人の子がバスで通学していることからでした。「児童・生徒の人種の割合を決めている市町村の学校が、白人と黒人の割合から、不足している分の黒人の児童生徒をバスで通学させる」のです。名づけて、「BUSING」、そのまんまですね。

 クオータ制、元々は議員の男女比格差是正で取り入れられた考え方。それが、例えば大学入学を許可するマイノリティの割合とか、採用する分野が広まっていった。大学の入学でいえば、日本人はマイノリティなので、仮に白人より成績が悪くてもクオータ制で入学できる、ということも起こる。クオータ制がいいか悪いかは、光と陰。恩恵を被る人もいれば、損をする人もいる。学校など、無理に達成しようとしたら、質が下がることも考えられる。

 南アフリカ共和国の女性議員の割合は、32.8%。クオータ制によるものです。
 インドの、「リザーブシート」も、早い話が、クオータ制。なにしろカースト制度は今も密かに健在のようですから、国民各層に議席を割り当てる仕組みは必要というわけ。

 で、日本政府。8年前に、「2020年までに議員や職場の管理職(課長職相当以上)に占める女性の割合を30%程度高めよう」という目標を掲げた。
 現在どの程度になっているか?(「男女共同参画白書」による)
 衆議院議員・・・10.9%、
 課長級・・・・・7.0%(社員100人以上の会社)
 部長級・・・・・4.2%

 あと、9年で30%になるかなあ?何が何でも達成するとしたら、クオータ制にするしかない。
 会社は、経営への政府介入だと言うだろう。また、「逆差別」ということにもなってくる。無理は出来ませんね。

ニングルテラス結婚式

2011年07月04日 | Weblog
我が家の二男のニングルテラス結婚式に参列してきました。
 神前結婚式、仏前結婚式、「汝と汝は今何時結婚式」…3番目の結婚式はどういう結婚式かって?牧師さんが、「汝と汝は今何時?」というアレです。
 ニングルテラス結婚式は、いわば、「人前結婚式」。神主も、坊さんも、牧師さんも登場しない。簡素で良かったと思います。式や披露宴の盛大さと、新夫婦が幸せに暮らせることに何の相関もありませんから。式を挙げずに、仲良く幸せな家庭を築いている人も少なくありません。

 式に先立って、両家の食事会が18:00から…。両家の面々、緊張の面持ち。その時、長男が(家内、つまり新郎の母に)、「あれ!カーディガン裏返し!」と、大声で叫びました…。これで、食事会の緊張は雲散霧消。家内の作戦だったのか?家内と長男の狂言だったのか?
 真相は、そのまんま。つまり家内が天然ぶりを発揮し、ワンピースに羽織ったレースのカーディガン状のものを裏返しに着ていた。お嫁さんの御両親は落胆した様子…だったかな。私は、「レースなので、裏も表もあまり変わらないよ」と、言いましたが、フォローにはなりませんでした。

 結婚式は、観光客がテラスからいなくなった、21:30から始まりました。真っ暗闇の森の中から、スポットライトを浴びて新郎新婦が登場。テラスに敷き詰められた真っ赤な絨毯の上を、妖精立ちに囲まれて。この場面が、最大の見せ場だったと思います。

 新郎新婦には、ニングルの長のメッセージが「結婚承認証」として贈られました。「結婚承認証」の文面は…

 お前らの結婚を承認する
 亭主の痒いときは掻いてやれ
 女房が屁こいたときは扇いでやれ
 子供が生まれたらその子の木を植えろ
 その木が育てばその子も育つ

 この承認証の欠点は、「その木が育てばその子も育つ」です。なぜ欠点かって?「その木が枯れたら、その子はどうなるの?」倉本聰さんに、指摘しなければなりません。

 あと、4人の「森の妖精(エンジェル?)」にエスコートされて、新郎新婦が登場したわけですが、妖精の女の子がちょっとばかり食べ過ぎ。肉付きのよい妖精はいないと思うが、ニングルの森にはいらっしゃる。このことも倉本聰さんに指摘…しないでおきましょう。

 そうそう、富良野の麓郷に、「小野田そば」があるのですが、「北の国から」のロケで、田中邦衛がよく、「天ぷらとかしわの自家製手打ち太麺そば」を食べていたという。贅沢ですよ!つつましくもないし、謙虚でもない。
 黒板五郎(俳優は田中邦衛)は遺言で…
 「(前略)…自然から頂戴しろ。そして謙虚に、つつましく生きろ。それが父さんの、お前らへの遺言だ」
 
 黒板五郎なら「かけそば」でしょうが!なお、私も小野田そばへ行きました。ミーハーなもんで。壁に来客が残した名刺がギッシリ貼られていました。そ、その中に、「鈴木宗男」の名刺が!だからなんなんだって?今は獄中の鈴木宗男も北の国からのファンだったというところが、おもしろいじゃないですか。私は一杯のカケソバをいただきました。つつましく。

(さだまさしで)あ~あ~ああああ あ~あ~…

2011年07月02日 | Weblog
 我が家の3人の子供達(長女、長男、二男)が、皆、所帯を持ち独立です。
 長女、長男はすでに所帯を持っております。本日、二男が北海道富良野で結婚式を挙げます。倉本聰さんがプロデュースした、富良野の森の中にある「ニングルテラス」での結婚式。式は、観光客がほぼいなくなった、午後9時30分から。一般観光客が結婚式を見学するのは自由です。とっぷりと暮れた森の闇の中から、新郎新婦が天使に導かれて現われるという趣向だそうで、楽しみです。
 二男は、「北の国から」のファンでしたので、彼らしい結婚式の選択でしょう。

 二男が高校へ進み下宿生活をはじめたころ、黒板純(俳優は吉岡秀隆)の語り口で手紙をくれたことがありました。九年前のことです。

 はいけい お父さんお母さん
 僕は、下宿生活には慣れたわけで
 学校も順調なわけで
 部活動が始まったりして、ちょっとお金を使うことがあるけど、なるべく節約するんで、勘弁してください。
 冷蔵庫、ありがとうございました。
 1回風呂に入れなかった日に、300円でシャワー浴びちゃったけど勘弁してください。
 おばあちゃん元気ですか?宜しく伝えてください。
 それではお身体にお気をつけてください。

 謙虚で、つつましい。下宿の風呂に入りそびれて、有料シャワーで300円を使ってしまったので勘弁してほしい…泣かされましたよ。ギリギリの仕送りだったので、100円でも無駄に出来なかった…。親が汗を流して働いて得たお金だから節約しなければ、という意識を持ってくれていた。祖母への気遣いも見せてくれた。ありがたかったです…。

 「北の国から」では、黒板五郎が、水を自分で引き(「水道」と称しておりました)、電気も、手作り風車の風力発電でした。純は語っていました…
 「…父さんの水道がやっと通った日。風力発電で電気がついた日。東京で感じるうれしいこととぜんぜんちがった。そういううれしさを、ぼくらすこしずつ知っていったんだ」

 アレアレ、倉本聰さんはこの度の原発事故を予測していた?予測はしなかったでしょうが、「文明の発達は人間を幸福にするものとは限りませんよ。自然をもっと大切にしなければ」という警告を発していたことはたしかです。なぜそう言えるかって?
 「北の国から」は、2002年9月の「2002 遺言」で幕を閉じました。黒板五郎(俳優は田中邦衛)が遺言を書くわけですが、五郎は何と書いたか…

 「…ここには何もないが自然だけはある。自然はお前らを死なない程度には充分毎年喰わしてくれる。自然から頂戴しろ。そして謙虚に、つつましく生きろ。それが父さんの、お前らへの遺言だ」
 この遺言、癒されますよ。肩の荷がスーッと軽くなる。加山雄三の若大将シリーズで、青大将だった田中邦衛がこんな素晴らしい遺言を書いた。おっと、書いたのは倉本聰さんでしたが。「謙虚につつましく…」人が生きるのは、これしかない。

 そういえば、撤退した富良野のゴルフ場を元の森に戻そうという作業が現在行われています。これも、倉本聰さんの考え。一昨年、私ども夫婦と二男の3人で、その、元ゴルフ場で植樹してきました。富良野の森とは、あのときからすでにつながっていたわけで…。

 新夫婦には、自然と向き合える知恵を身につけ、闇の中でも生き抜いてほしい。謙虚につつましく。

民主化のキーワードは露天商…?

2011年07月01日 | Weblog
 日本人の記憶にはまだ新しいと思いますが・・・6月10日から12日まで3夜連続で、中国広東省・広州近郊の町(新塘)で治安要員の暴力に激怒した出稼ぎ労働者(民工)らによる大規模な暴動が発生、群衆が地元警察署や警察車両に放火するなどしました。
 新塘中心部には、少なくとも数千人が集まり、警察車両など20台以上を燃やしたほか、地元行政施設などに火炎瓶や石を投げつけた。若者たちは「地元政府に搾取されている」と、日頃の不満もぶつけている。

 これって、大変なことです。広州には友人のジャンボ氏がいるので、巻きこまれて大変な目に遭っているのではないかと思い、お見舞いのメールをしました。 返信のメールには…
 「えぇーっつ!そんなことあったの?こちらは全く平穏だよ。会社で中国人社員に聞いても、誰もそんなことは知らなかったけどね。いずれにしろ、まずいことは隠す国ですから、そういうニュースは外信頼りです」

 ま、これが中国という国の実態です。テレビ報道でも、国家に不都合な場面は、「吹雪(画面を、ザーっと見えなくしてしまう。アナログのテレビはこうなりますよというアレ)」にしてしまいますから。

 この暴動は、四川省から来た妊娠中の露天商女性(20歳…20歳の女性露天商というのも、現在の日本では非日常)に、治安要員が暴力を振るったことに端を発している。近くにいた四川省出身の民工らが抗議した。新塘には四川出身者が約10万人いるというから…。10万人が暴れたら、なかなか大変。

 この事件、何か思い出しませんか?ムハンマド・ブアジジですよ!もう忘れた?時代の流れは速いですからしょうがないです。ただ…まだ半年前の話ですけどね。
 ブアジジはチュニジア内陸部の地方に生まれた。父親は、彼が3歳の時に亡くなった。母は父の弟と再婚(日本でも、昔はこのようなことが多かったです。ブアジジには6人の弟妹がいる)。
 義父が病弱のため(あるんだよなあ、こうゆうこと…)一家の生計はブアジジの肩にかかり、10代からさまざまな仕事をした。若者の失業率30%の国ですから、ブアジジにも当然定職はなく、雑貨や果物や野菜を仕入れ、それを手押し車で売り歩く露天商を始めた。(1カ月約140ドル相当の収入というから、1日約370円ということ。この収入で、妹の1人を大学に行かせることが出来たという)
 そしてその日が訪れた…12月17日、ブアジジは前借りで仕入れた200ドル相当の雑貨を売り歩いていた。露天商…。警官がワイロほしさに販売許可証の提示をを求めた。そんなお金は、ブアジジにはなかった。警官は雑貨を押収。助けを求めに飛び込んだお役所にも黙殺された。絶望して役所前の道路でガソリンをかぶって火をつけた。
 焼身自殺の映像が国内を回り、中東の民主革命が始まった。

 四川省出身の20歳で妊婦の露天商と、チュニジア内陸部の露天商ブアジジは…同じように感じるのですが。ネットやツイッターが支配するグローバル時代、独裁国家や権威主義的体制の国が恐れるのは…、露天商!おっと、露天商ではなく、虐げられた民衆です。

 いよいよ、広州から中国民主革命勃発か!その心配は、いりません。もうすでに鎮圧されております…。