数少ない選択肢の中から今回選んだ戸田家。近鉄特急鳥羽駅のすぐ近く。
なんといっても決めては貸切風呂付きだったということでした。
母も温泉にたまには入れてやりたいという気持ちだったので、娘とふたりでやればなんとか入れることができると思って選びました。
個室(和室)で家族で食事ができるということでお風呂もついていると思っていたのですが、気をきかせてくれたのかどうか全くわかりませんが、広い部屋を用意しておきます…とのこと。
広い部屋って?もしかして宴会場でぽつんとわたしたち家族だけ?と心配していたのですが、到着して通された部屋はトイレ付のほんのちょっと広めの和室でした。海がすっきりみえる景色の部屋だったらよかったんですが…それは残念ながらなかったです
トイレは車イス利用者用にはできていないため、母を抱きかかえて入るにも本当に狭くて、かなり苦労しました。
館内で身障用トイレのこと聞いておけばよかったはぁ~
あと事前に母のために布団の用意を1組だけお願いしておいたのですが、車イスだと和室のなので部屋の入口にまでしか入ることができません。
まぁ、こんなものだろうなと想像していたので、母は抱えて斜度をつけ防水シーツをひいた布団に寝かせ、用意しておいたブルーシートをその横に敷いて車イスを置いておきました。なんといっても経管栄養のとき(ラコールを吊り下げる)に必要ですから。
食事は12時から14時までという指定を受けていたので、その間に口腔ケアと電動吸引器で吸引をしたあと経管栄養をしました。
布団でゴロっと寝ながらできるので、母も楽そうでした。もちろん経管栄養をしているので逆流しないようにそれなりの角度はつけてますが。
わたしたちも母の様子をみながら海の幸が盛られた食事を堪能しました。
正直、家族5人揃って外で食事というのは昨年の安曇野への旅行以来です。
しかも、今回は息子がカメルーンに3年間行くこともあり、みんなで行けるいい思い出づくりの時間でもあったといえると思います。
それと、ここの仲居をされている方がちょうど介護の勉強を1年され、さらに施設などでも介助をされていたということでしたので、話なども母のことを中心にいろいろとお話しができたことは本当によかったです。
さて、美味しい食事のあとはいよいよお風呂です。
バリアフリーのお風呂が貸切風呂としてあるので、なんといってもそれはひとつの魅力といっていいでしょう。
貸し切ることができる時間は45分間。とはいえ、宿の方の配慮でわたしたちが利用したすぐあとに予約を入れないようにしてくれました。
経管栄養をしてすぐにお風呂というのは、ちょっとどうかなと思いつつ、とりあえず30分程度は時間おいたので大丈夫ということで、予約した時間になったため貸切風呂に出かけて行きました。受付の方や仲居さんが気を使って車イスを押してお風呂場まで案内をしてくれました。
主人と息子は、わたしたちがバリアフリーのお風呂に入っている間、いろいろなお風呂に入りに行ったようです。
有料貸切家族風呂というだけあって広さはさほどではありませんが、ちゃんと車イスでも入ることができる多目的トイレがあり、さらにこんな↓感じで湯船に浸かることができるようになっていました。
まずは、こちらの車イスに乗り換えます
お湯に濡れても大丈夫体と頭を洗ったあと、いよいよ湯船へ。
まず赤い○印のところにひっかける部分があるので車イスを設置します。黄色い円内にあるハンドルを手動で回すと、青い矢印のように持ち上がるとともにタイヤが外れイスだけになってそのままイスごと湯船に浸かれるようになるわけです。
すごいすごい~と喜んでしまった私介助者の負担も少なく、一緒に入れるというのもいいですね。
母もちょっとびっくりしていたようですし、イスごと持ち上げられたときは怖かったとのことでしたが、ひさ~しぶりに温泉は楽しめたみたいです。
ただひとつ難点をいえば、やっぱり45分というのは非常に慌ただしいです。
介助者のわたしとしては、ゆっくりはできませんでした贅沢は言っていられませんが
でも、なかなかバリアフリーのお風呂があるところは少ないので、こういうのもあるんだということでいい経験ができてよかったです。
ということで、温泉も楽しめたし、戸田家さんの対応もなかなかよかったし、ということで、いつか今度は電車に乗って泊まりにきてみたいものですね。