レッスンをしていてなかなか直らないことの一つに、
腕が下がることがあります。
腕が下がると、音が汚くなります。
上腕の支えは、腰と脚の支えが必要だと思いますので
椅子の座り方、つまり姿勢が良くないと改善できません。
そして、さらに腕を支える指の強さがないと、
腕は常にダラリと下がり、指先も反り返ります。
姿勢はレッスンで注意されるだけでは
直すことはできません。
日常生活からその意識がないと、
つまりご家庭での促しがないと改善はできないと
思います。
また、練習環境が影響している場合もあります。
高さ調節のできない椅子、
足を浮かせて座らせている、
椅子のすぐ後ろが壁で楽器との距離が
調整できない。
これによりピアノを弾く椅子の座り方が
身に付かないことが考えられます。
体のバランスを取ることが上手くできない
お子さんがいますが、それはまた別の話です。
教室が狭く、先生がどういう姿勢でピアノを弾いているか
生徒さんがよくわかっていない、ということもあるかもしれません。
離れて見ようにもそのスペースさえないのが
楽器店の教室です。
ユジャ·ワンの演奏で、
ピアノを弾く腕が見やすい動画を見つけたので、
生徒さんに見てもらおうと考えているところです。
今回の話とは逸れますが、彼女、上から見ると
小指と手首が真っ直ぐになるように使っていて、
くの字になっていません。
イリーナ先生の講座でも、
ロシア人の先生のレッスン動画でも、
小指と腕のラインが折れ曲がらないようにと話されていました。
このラインで弾くと、音が素直に伸びます。
速いパッセージもこの方が弾きやすいです。
固めの圧縮された音が好きな人は、
くの字ですかね。
姿勢の改善は、結局は耳次第かもしれません。