おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

Carol of the Bells

2024年12月05日 | レッスン

クリスマスシーズンにはクリスマスの曲を
生徒さんにはできるだけ弾いてもらっています。

毎年、発表会の準備と重なることが多いので、
ハロウィーンの前からクリスマスの曲を
弾き始めることも少なくありません。



「不思議な音の国 上巻」の生徒さんには
同じシリーズの中のクリスマスブックから
弾いてもらいます。

「不思議な音の国 下巻」の生徒さんには
音域が少し高くはなりますが、
キャサリン・ロリンさんの楽譜で弾き易いものがあるので
それを弾いてもらっています。



不思議の下巻が終わると、ピアノアドヴェンチャーの3Aに
クリスマスの曲を集めたものがあり、
その中の「Carol of the Bells」が弾けます。

そして、この曲で初めてペダルも使います。

それ以前にポーラさんの「Little Gems for Piano」で
ペダルを踏む経験はしてもらっているのですが、
その時は踏みかえ無しでもよい曲を弾くので、
正式なぺダリングは「Carol of the Bells」が初めてとなります。


不思議修了の生徒さんは、この曲の譜読みは
あまり苦労することはありません。

ところが、右手メロディ―、左手伴奏で進んできた
生徒さんを引き継ぐと、なかなか譜読みが終わらないのです。

そこに初ペダルとなると、
右手の「ドーシドラ」のリズムが急に弾けなくなったり、
1拍目でペダルが踏みかえられなかったりしてしまいます。



全くその生徒さんの責任ではないのですが、
教本の影響はこの段階でも歴然。

ピアノは伴奏も一人で弾きながら演奏できる楽器ですが、
右手メロディー、左手伴奏のパターンだけで進んでしまうと、
これしかできないになってしまい、
これしか知らない人は、ピアノはそのように弾く楽器と
認識してしまいます。


すると、音楽の可能性をかなり狭くします。

頭が柔らかい内に、定型だけではなく、
様々な形態の曲を生徒さんには弾かせたいものです。




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フェスティヴァル・ランタンポレル

2024年11月28日 | コンサート情報

「ランタンポレル」

聞き慣れない言葉ですが、今年はそのフェスティヴァルの
第1回にあたるそうです。

「L'intemporel」とは、「時を超えた、非時間的な」
というフラン語だそうで。


フランスの複数の音楽祭とブーレーズによって創設された
IRCAM(イルカム:ポンピドゥーの関連組織にある
世界最大級の公的音楽研究機関)と提携したフェスティヴァルだそうで。


何のことやらよく理解できていません


東京文化会館音楽監督の野平一郎さんによると、

現在の音楽祭は、現代音楽においては、ますます
専門化し一般聴衆には近寄りがたくなっており、
一方、古典音楽は限定された名曲を繰り返し
演奏しているだけで、この2つには全く交わる点がない、と。

なのでこの音楽祭では、この現状を打開すべく、
2つの「ランタンポレル」をお考えになったそうです。


ひとつは、
現代に活躍する作曲家と、歴史上著名な作曲家を
ペアにしたコンサート。

もうひとつは、
20世紀初頭の無声映画の名作に音楽を付けた
シネマコンサート。
こちらはIRCAMと全面的に提携しているとのこと。


前者は、レ・ヴォルク音楽祭と提携していて、
この主要メンバーはピリオド楽器のオケとして
知られる楽員たちが中心であることから、
ピアノリサイタルでも、一人で古典作品では
フォルテピアノ、現代作品ではモダンピアノを
使い分けて演奏するそうです。


ということで、今日は
阪田知樹さんのその演奏を聴いてきました。

最初は、フィリップ・マヌリの第2ソナタ「変奏曲」

こちらはモダンピアノ。
30分ほどの大曲で、久し振りに生粋の現代曲を
聴いた感じでした。

長いフレーズはほとんどなく、俳句を並べたような、
短い詩を並べたような、
それが変奏だったのかもしれませんが、
さっぱりわかりませんでした。

ソステヌートペダルで響きを残して
ひとつの変奏が終わる形態が主でした。

このような感性と言うのはどこからくるのだろうと
思いながら、このような音楽でも演奏家は
理解して演奏するのだなと、尊敬しかないです。


作曲者のマヌリさんも会場にいらしていました。
前日にご本人からアドヴァイスを受けられたようですが、
作曲者本人の前で演奏するのはどのような気分なのでしょう。


続いて休憩なしで、1時間ほどかかるベートーヴェンの
ディアベリ変奏曲。

こちらはフォルテピアノ。

コンサート会場ではじめてフォルテピアノを聴きました。

モダンピアノに比べると、音量が圧倒的に小さい。
こんなに違うのだなと、ピリオドしかない
コンサートでしたらその違いがはっきりとは
分からなかったかもしれなかったので、
良い経験でした。


ショパンのピリオドコンクールはこれにオケが入るのかと、
あの従来のショパンコンクールと同じ会場でコンチェルトを
演奏しているわけで、ピリオドのコンクールをやろうと
最初に思い付いた人は凄い発想の持ち主だなと思いました。


作曲家がこの楽器の音で曲を考えたわけで、
フォルテピアノで実際に弾くと、おそらくモダンでは
気付かなかったことを発見するだろうな、と思いました。

機会があったら、遊びで良いのでちょっと弾いてみたいと
思いました。


11/30は務川さんが登場します。

聴きに行けないのが残念です。
彼はフォルテピアノの勉強もパリでずっとされていますし、
聴きたかったです。

曲は現代曲とシューベルトの組み合わせ。
彼のシューベルトも多様な音色で聴かせてくれるのだろうな
と興味がありますが、今回はレッスンがあるので行けません。


カントロフも祝日の翌週にサントリーホールでは
聴きに行けないので、川崎まで行きました。

祝日の翌週はピアノの先生は休めないのでは
ないかと・・

でも、川崎でも行けて良かったです。


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カントロフ リサイタル 2024/11/27

2024年11月27日 | コンサート情報

カントロフのリサイタルに行ってきました。

演奏される機会が決して多いとは言えない
曲目でした。




メトネルのソナタ第1番は初めて聴きましたし、
ラフマニノフも腰を据えて最後まで聴いたのは
初めてです。

深い音楽、無限に湧き上がる音。
なのに決して混沌とすることがなく、
聴いている方も、感覚が研ぎ澄まされていきます。

ペダリングも上手い!


プログラムを見た時に、
最後がブラームス編曲のシャコンヌだったので、
地味に終わるけど、なぜ?と思いました。

しかし、メトネル、ラフマニノフと聴いて
最後にシャコンヌを聴いた時に、
バッハの音楽があんなに音数の多い作品の後に聴いても
全く引けを取らない、むしろそれらの作品を超越した所に
バッハはいると感じました。

それを虚飾なしに編曲したブラームスも素晴らしい。
左手だけであれだけの音楽を作り出すカントロフも
いかに成熟したピアニストであるか。

このような3人が合体した音楽を聴かせてもらった、
と感じました。


編曲されたものは、作曲者と編曲者と演奏者の
3人の力が集結すると大変な力を生む、と
初めてそのようなことを考えました。


日本でのコンサートはリサイタルしか目にしておりませんが、
今度はコンチェルトも聴きたいです。

サン・サーンスの5番を是非、お願いしたいです!


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浜コン 結果

2024年11月24日 | コンサート情報

何気に見始めた浜松国際ピアノコンクールが終わりました。

結果はもうご存知だと思いますが、
日本人の女性の方が優勝。


彼女はずっと安定して
きめ細やかな音楽を深い洞察力と
澄んだ美しい音で聴かせてくれていました。

きっと、練習の時から
たいへんな集中力と妥協を許さない
練習をされているのだろうと感じました。

音楽への愛が伝わり、
特に音楽を読み込む力は別格でした。


これからの活躍が楽しみです。


応援していたピアニストさんは、
ファイナルの演奏が始まった途端、
あら・・、でした。

機嫌でも悪いのかと思うような演奏で、
ガッカリ・・


色々あるのかもしれませんが、
音楽への誠実さは失ってはいけないな、
と自分に対しても思います。

エリザベートコンクールでの
ギルトブルクの最後まで誠実だった演奏に、
何が起きたのか全く知らず偶然に聴いて、
その演奏で幸福な気持ちになった私の様な人間もいるので、
演奏家にとって演奏技術より大事なことはあると思います。

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作曲

2024年11月24日 | 不思議な音の国

夏からレッスンを始めた小1の生徒さん。

レッスンを始めた頃は少しおどおどしていました。


ワークで、間違えて書いてしまったりすると
泣いてしまっていました。

鍵盤の位置がわからなかった時もそうでした。


家のキーボードが鍵盤数が少なかったようです。

家に楽器があると聞いていたので、
習う前に既にあるということは、
ご家族に音楽経験がある方がいらっしゃるのだろうと
鍵盤数までは確認しておりませんでした。

そうしましたら、鍵盤数が少ないのだと。

お母様が本人に「ごめん、ごめん」と。
88鍵の電子ピアノを買われることになりました。


少し前からレッスンも落ち着き、
進むペースも一気に上がりました。

手の癖がほぼなく、指も根元から太く真っすぐなので
ピアノを弾くには向いた手をしています。


実は今春からレッスンを始めた生徒さんの何人かが
この手のタイプで、皆、弾き方を大きく直すことが
初めからほぼないのです。

少し手首が下がってきたり、音を離す時に指だけで
離すことはあるので、そこを注意する程度です。

支えがしっかりとできる手は、
初めからあるのだと知りました。


話は戻り、
今夏からレッスンを始めた生徒さんの
初作品です。

ドとレで作る頃はまだ自信なさそうに
レッスンを受けていたので、作曲は飛ばしました。

なので、作曲 Début!です。


けっこう、曲として成立していると思います。
右手が多いのは少し気になりますが、
限られた音で作ることは容易ではありません。

私が同じ年齢の時でしたら
こんなに作れなかったな、と思います。




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