おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

「音が読めるようにならない」子供たち1(第3号)

2012年03月12日 | 苦手なことがある子供たち
音が読めるようになるには、五線のどこに丸があるかを見ることができなければいけません。

習い始めの子供には、線と間(かん)に丸を書いてもらったり、ドレミの順番を覚えてもらったりします。これらは小さなお子さんには少し難しいことです。音楽が頭の中に流れないと、たいへん抽象的だからです。

これが、小学校に上がると五線の仕組みを理解することがグンと楽になります。
ところが、小学2年生、3年生になっても音が読めない子供がいます。

1小節目の2拍目を過ぎると目が泳ぎ始めてどこを見てよいかわからなくなり、文字や絵が書かれている所を真剣に見つめたり、眼球がものすごいスピードで左右に動き後ろに倒れそうになったり・・

この子供たちに何が起きているかもわからず、私はひたすら線や間に丸を書いてもらったり、色をつけてもらったり、ドレミの順番を逆から、途中から、そして一つ飛びでも言えるようにしたりと思い付くものをあれこれと試していました。

しかし思うような成果は得られず、時が解決してくれるのだろうかと考えたりもしました。

私がこのような生徒に出会うようになったのは、実は7年程前からです。それ以前は出会った記憶がないのです。気付いていなかっただけかもしれませんが・・

同じ頃に自閉症の生徒にも出会っていました。
自閉症の生徒は初めてでした。彼女に会うまで私は発達障害のことを全く知りませんでした。

そこで、図書館から本を借りて勉強し始めました。初めの内は自閉症のことで頭がいっぱいでした。
彼女のレッスンでは,どんなことをどのようにしたら受け入れてくれるのか、そしてできるようになるのか。それを知るまでに2年程かかりました。さらに、彼女が成長する時間を待つ必要もあったように思います。
私の成長もでしょうか・・
自分の力のなさに打ちのめされ、やり直しの連続に虚しくもなりましたが、じきに彼女に会うことが楽しくなり、私の方が元気にさせてもらうようになりました。
彼女のレッスンが落ち着いてきた頃、次第にLDにも目が行くようになりました。

色々と本を読む内に、目を上下左右に動かすことが器用にできない子供がいることを知りました。

これはあることを行うだけで案外簡単にできるようになります。


「音が読めるようにならない」子供たち2へ 続きます。

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空間認知力と運動能力(第2号)

2012年03月12日 | 苦手なことがある子供たち
ピアノを弾く時には、空間認知力と運動能力をかなり使うようです。

空間認知とは、その場にないものを推量する力です。物の形、時間の流れ、量感などです。
物の形を認識する力が弱いと文字の読み書きが苦手になります。これは上下左右の概念がうまく働いていないために
起こるようです。

運動能力とは、体の複数の動きをコントロールしたり、指先、腕、脚などに力を入れたり抜いたりをコントロールする力です。
これらがうまくできないことを不器用ということもあります。
不器用だと細かい作業が苦手になります。ボタンをかけたり、紐を結んだり、洋服をたたんだりといったことがうまくできず、一応の動作はできても速すぎたり動きが雑だったりします。

「音が読めるようにならない」
「まん中のドをいつまでたっても探せない」
「どちらの手を動かしているかよくわからない」

このような生徒さんはいらっしゃいませんか?

私は、これらの症状はこの2つの能力に関係していると思っています。
そしてこの2つに着目した方法をレッスンに取り入れました。

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