おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

「不思議な音の国」の魔法

2019年05月27日 | 不思議な音の国
この教本の魔法の一つをご紹介します。

この教本を上巻から使っている生徒さんは、4分音符、2分音符、全音符の名前と長さをこの本で初めて登場した時にすぐに覚えられます。

すぐにと言っても見た瞬間ではなく、翌週か翌々週には覚えてくるということです。
年少さんでもです。
しかも「覚えてきて!」とは一言も言っていません。
ノートに100回書きましょうなどどいう原始的なこともしていません。
私はワークには否定的なのでそれも使っていません。

教本にあるのは四角の中に5回ずつそれらを書くことだけです。

なのに皆、覚えられるのです。
てっきりお母様が家でビシバシ教え込んでいるのかと思っていました。

ところがどなたもそんなことはしていないと。
横で「あら、覚えたの?」とお母様が驚かれています。

なぜでしょう。

ここにこの教本の魔法が!

これらのリズムが初登場するページにリズム王子がリズム研究所にこもって長いリズムを発明しようとする話があります。

これか!と思い、下巻から始めた生徒やそれ以外の教本を使っている生徒にもこの話をしました。
しかし、誰も覚えません・・

なぜだ、何が違う・・

恐らく違いはこれです

ここに至るまでの経験です。

この教本は初めから楽譜にはなっていません。

階段状になったものを弾く、白丸黒丸のリズム打ち、階段と白黒丸が合体、階段が1本線に変わりそこにある丸の位置を見て弾く、そこに白丸黒丸が加わる。

5線になってもまだ白黒の丸のままです。それが「レ」を覚えて3曲弾いたところで初めて4分音符、2分音符、全音符として登場します。

この経験なのです。やっと正体をここで知るのです。
年少の生徒さんでも2週間でこれらの名前や長さを自然に覚えられるのはずっと謎の白黒丸だったからです。

急がないけれど、結局は近道なのです。
遠回りだと思ったことが実は一番の近道だった。

と、イチローさんも言っています。

ピアノを始めて1年経たなくともゲディケ「小さなハンゼンの踊り」「リゴードン」、シュタイベルト「アダージョ」が響きを伴った音で音楽的に弾けます。

1年で年長さんや小学1年生の生徒さんが「ちょうちょう」「チューリップ」「ぶんぶんぶん」「かえるのうた」「ミッキーマウスマーチ」、もう少し進んでも「気のいいがちょう」を弾くのを発表会でよく耳にしました。
しかも音質も良くありません。

音楽の内容を比べてみて下さい。

ノンレガートで始めて、楽譜らしきものも初めはなかなか登場しないのに、1年経たずにこれだけの差が出ます。
普通の子達です。

私のこれまでの経験ではこのようなことはありませんでした。

結局これが近道。
コメント
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