イリーナ先生やピアセツキー先生のレッスン動画を拝見して、旧ソ連のピアノ導入期の方法が理解出来てきました。
ピアノレッスンはまずピアノを弾く手を作ることから始める。
それは力みなく弾くことをはじめに徹底して教えるということ。
指が反り返ったり、クネッとしないように、指先を馬に蹄鉄を履かせるようにしたり、指のブーツを履かせたりと子どもが分かる言葉で何度も伝えます。
そして呼吸する手首。
ピアセツキー先生はたいへん小さな動きでそれを行い、イリーナ先生は始めは大きな動きで行うものの、手首を不用に大きく動かしすぎたり肘まで上げている時にはすかさず注意していますし、上巻が終わる頃には既に小さな動きで手首を使うようにされています。
また、お二人とも234の指のレガートを3音の上行・下行形で連続して弾く練習をさせています。
ピアセツキー先生はすぐに5音のレガートをして、しばらくの間は手を私のように支えてあげて下さいとお家の方に言っています。指を持ち上げることはせず鍵盤の深さ分下げるだけ。
自分でしてみると分かりますが、下から支えると指を下ろすだけで済みますが、支えがないと自力で手を支えなければならず結構重さを感じます。子どもはこの重さに耐えられず手がつぶれてしまいます。
移調をして弾くこともお二人ともよくされています。
ひとつの曲で様々な音から弾くだけで楽しく練習できますし、さらに音感も付きます。
グネーシンのソルフェージュでも移調させて子どもたちに弾かせています。
ピアノは音の読み方やリズムが分かれば弾けるものではなく、しかも弾き方を習わずに曲を弾き続けると、奇跡的にピアノに適した弾き方を持っていた人は別ですが、そうではない人は遅かれ早かれ行き詰ります。
ここを改善してピアノレッスンが進められたら、多くのピアノ愛好者が趣味として生涯楽しむことが可能になるはずです。