ヴェルビエで、今年はプレトニョフのモーツァルトのコンチェルトがありました。
お楽しみとして取っておきましたら、見るのを忘れておりました。
先ほど思い出し、見てみました。
っぽい。らしい。
という期待を裏切らない演奏。
ピアノにもオーケストラが別にいるようでした。モーツァルトのコンチェルトはこんなに交響的だったのかと。
かといって対立しているわけではなく、ピアノパートらしい、ピアノにしかできない音色にも一瞬で変身させてしまうプレトニョフ。
この人の頭の中はどうなっているのでしょう。普通の会話でもこの人の話に私はついていけないだろうと思います。頭脳が違いすぎる··
そして余裕がある。
音楽で会話ができる人なんだなと、この域にいる人たちの別次元の世界を見させてもらった気がします。会場で聴いたらもっと驚きの世界だったのではと思います。
プレトニョフは、私にとってはチャイコフスキーコンクールで優勝して来日した時に(これは間違いでした。その4年後でした)、取り敢えず録音しておこうとFMで放送されたリサイタルを録音しておいたピアニストです。
シャコンヌとプロコ2番のソナタが何だか、どういうわけか何度も聴きたくなり、よく聴いておりました。
鮮やかなテクニックに惹き付けられていたのだと思いますが、今の彼の演奏を聴くと、決してそれだけではない、というよりそれを全面に押し出すことはしていない、もっと音のニュアンスの多彩さや曲の構築性の新しさで驚かされているので、そのような所が何かしらほぼ素人のような当時の私の耳に少しは届いていたのかもしれません。
と、自分を贔屓目にみておきます。