おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

ロシアンメソッドに変えて起きた悲しいこと

2018年09月29日 | 重力奏法
ロシアンメソッドに変えることで最も懸念していたことは、生徒さんや保護者の方に「受け入れていただけるか」でした。

子供の頃からそのメソッドで習ってきたわけでもなく、私の場合は独学のようなものですし、これでレッスンができるのかと偽物色満載の自分に「大丈夫か?」と問いかけつつ、それでもこのメソッドはおそらく本当のピアノ奏法であろうとの思いは日増しに確固たるものになりました。

もちろん生徒さんに教える前に自分で試しました。

私は12年前から奏法を直し始めておりました。
シャンドールのピアノ教本は大変参考になりました。
しかし文字で読むだけでは理解できないこともありました。

それがロシアの子供たちが演奏する姿やレッスンで先生が指摘されていることを見ているうちに徐々に謎が解けてきました。

謎が解け始めるとそれは何と自分が学生の頃、恩師に教えていただいていたことだとわかりました。

恩師はよくご自分の手の上に私の手を載せさせて手首や腕の使い方、私の腕の上で弾いてどのようなタッチで弾くか、重さで弾くか、どう重さを移動させていくかを伝えて下さいました。

その頃は「ホ~」と思ってもそれを再現できず、前よりは身体を使って弾けるようになったかな・・程度でした。

卒業後何度かヨーロッパにレッスンを受けに行きました。

そこで言われたことで忘れられない言葉が2つ。

「音楽はいいけど、音が・・」(1994年の話)
「すぐには直せないと思いますけど・・」(2007年の話)

1994年の先生はミケランジェリの孫弟子だそうでご自分も先生からよく音の響きの事を言われたそうです。
そんな高度なことを私に?
いえいえ、今思うとものすごく気を遣っておっしゃて下さったとわかります。音が良くないのに音楽は良いということはありえません。

2007年の先生はHPにある先生のCDの音源を聴いた時に、「これは私が出したいと思っていた音だ!」と思い経歴も読まずにレッスンを申し込みました。現地でオーディションがあったので行ってもレッスンを受けられないかもと思いましたが、最期の日にレッスン受けたかった・・無念・・と後悔するのは嫌でしたので落ちても聴講はできると思い受けに行きました。

運よく受かりレッスンは受けられましたが、言われたことが何一つできずどう直したらよいかもわからず、練習室で途方にくれました。
最初のレッスンで言われた「すぐには直せないと思いますけど・・」は本当にその通りになりました。言われた時は直していけると思ったのに。

その直せなかった理由が今はわかります。
奏法が違かったのです。

日本で多少なりとも通用していた私の音はヨーロッパでは全く通用するものではありませんでした。

その経験があったので私はロシアンメソッドで生徒たちにレッスンをしたいと思ったのです。

長くなりましたので続きは次回に。


ちなみに2007年の先生の経歴を帰国後読んでみましたら、リリー・クラウスにピアニストになったら?と言われピアニストになられたそうで・・
青ざめました。自分は大変なチャレンジャーだったと知りました。

リリー・クラウスのさすらい人幻想曲を高校生の頃よく聴いておりました。もちろんモーツァルトも・・

私がその先生に最初に見ていただいたのがモーツァルトのソナタでした。先生は夢のような音で弾いてくださいました。ふわりとした音がサラウンドで聴こえてきて、どこかにスピーカーでもあるのかと音の聞こえる方を「へっ?」と何度か振り返ってしまいました。

HPをよく見たら私の好きなラザール・ベルマンと一緒に写っている写真もあり驚きました。

勝手にご縁を感じております。

もひとつついでに、私の日本の恩師はヴェラ・ゴルノスタエヴァ先生のレッスンを東独で受け、ヴェラ先生のご推薦で現地のオケとチャイコのコンチェルトを演奏されています。とても小柄な先生です。

こんなに本物の実力ある先生のレッスンを受けながら10年も20年も30年も経ってやっと教えていただいたことに気付くという・・
遅いっ!!

でも、気付いてよかった・・と、自分を慰めております
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