おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

ロシアンメソッドに変えて嬉しかったこと

2018年09月26日 | 不思議な音の国
その生徒さんを引き継いだのは昨年の春でした。
小学1年生でした。

今年3月の発表会で初めて気付きました。
前年の発表会で偶然に同じ部で、先生との連弾でほとんど聞こえない音で弾いていた生徒さんだったことを・・

引き継いでみると毎回遅刻、「お腹が痛い」「頭が痛い」と休む。
来ないなと思って電話をすると電話の向こうで「行きたくなーい!!」と大声で泣き叫ぶ声がする。

4月に引き継いでGW後にはこの状態でしたのでよっぽど嫌われているとガックリきました。
ただ学校もこの調子で行きたくないというお話でした。

レッスンですぐそばに座っていらっしゃるお母様が「やったでしょ?」「忘れちゃったの?」「ちがうでしょ?」と頻繁に反応していらっしゃったので、1人でレッスンを受けてもらうことにしました。月に1度だけ一緒に入って下さいとお願いして。

あとは宿題やりなさいではなく一緒にやって下さいとお願いしました。
「ちがうでしょ?」ではなく、一緒に音を読んだり、リズムを叩いたり、練習をそばで聴いてあげるだけで良いと。

なにせ彼女は自信を全く失っていたので、できるんだという経験を積まなければレッスンさえまともに受けられません。

そして今年3月の発表会。

蚊の鳴くような音で弾きました。

それを聴いてあの生徒さんだったのかと気付いたのです。

これは初めから全てやり直そうと思いました。

そこでゴリン先生の「ものがたり 不思議な音の国 上巻」を使い始めました。
ピアノ歴3年目でまたゼロに戻ってやり直しました。

テキストに抵抗感は持たなかったので助かりました。
初めの内はなかなか進まず上巻だけで1年かかるかもしれないと思いました。

しかし、来月おそらく修了できます!
(7カ月で終われます。本来は6カ月で終わるそうです。)

8月頃から分かる、できるで自信が持てるようになってきたようで音にも自信があらわれてきました。

宿題をしてこないことが多かったのですが、ゴリン先生のテキストはレッスンで一緒に予習をして家で復習をして弾けるようにして来るように作られています。

時機に予習を丹念に一緒にやらなくとも一人でできるようになってきますが、上巻の内は一緒に予習をした方が良いと思っています。

この生徒さんのお父様が(お会いしたことはないのですが)どうやら一緒にテキストを読んで下さっているようなのです。

読むだけではなく一緒に覚えて下さっているようで「パパ、これ知らなかったから教えてあげた」とよく言っています。

ゴリン先生のテキストは初めから楽譜は出てきません。
徐々に楽譜の形になります。

大カッコ、終止線、小節線、リピート記号、拍子記号、ト音記号、ヘ音記号などが少しずつ書き加えられます。

リズムは黒丸(短く伸ばす)、白丸(長く伸ばす)の2種から。やがてリズム王子の発明によって4分音符、2分音符、全音符、付点2分音符が登場します。休符はいじわるなグランベリーノ閣下によって出現。

音は階段に丸が並んだものから5線に移行します。5線は大譜表のお城という設定で、そこに住む住人の部屋がそれぞれ割り当てられていて音の高さもそこに結びついています。
上下巻で真ん中の「ド」から1オクターブ上の「ド」と1オクターブ下の「ド」までの2オクターブの音を覚えます。
ここが完璧に覚えられればその上や下の音域もわかるはずです。

というわけで、ひとつずつ付け足されていく「ものがたり 不思議な音の国」はピアノの音の出し方を覚えるだけではなく、どこかでわからないまま進んでしまい自信を失ってしまった生徒さんにも使うことのできるテキストです。

彼女は遅刻しなくなり時間より前に到着して待つようになりました。
本人もお母様も表情が穏やかになり、お母様も変わってきたとおっしゃっていました。
本当の気持ちで褒めていらっしゃるのも本人が嬉しそうにしているのも、見ていて幸せになります。

でも、このテキストはロシアンメソッドの音の出し方(腕全体を使う、手首を柔らかに使う、指先を強く保つ)を知ってから使う必要はあります。
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