プレトニョフはロシア人なのに普通に西側で活動出来ているな、と思っておりましたら、ロシアのウクライナ侵攻に反対の立場を取っていると、今頃知りました。
そして、住居のあるスイスに拠点を移していると。
全く知りませんでした。
日本へは毎年のように来日している気がすると思っておりましたら、「前世は日本人だったのかもしれない」というほど日本を好んでいらっしゃるのだとか。
まぁ、それは良いのですが、プレトニョフのシューマンのコンチェルトの演奏を偶然 youtubeで見かけ、シューマン?珍しいかも・・と思い、聴いてみました。
聴いてすぐに、これはありだ!というか、これだ!と思いました。
シューマンのコンチェルトのテンポが私には速く感じていて、でもどのピアニストもそう弾くし、そうあるのがこの曲なのだろうと思っておりました。
ところがプレトニョフは遅めのテンポで、この曲の良さをじっくりと味合わせてくれています。
これでしょ!
このテンポじゃなきゃシューマンのナイーブさは出せない、と勝手に喜ぶ私でした。
第1楽章の第1テーマをピアノもオケもこんなに切なく歌った演奏は聴いたことがありません。木管との掛け合いもうっとりです。
終楽章も優しい音で、乙女なシューマンでなんだか良かったです。独特なアゴーギグやフレージングはありましたがプレトニョフっぽくて面白かったです。
終楽章の幕開けも印象的です。第2楽章の終わりですが。
眠りから目覚めたような、ちょっと魔法っぽい感じ。
調べてみましたら、シューマンの独奏曲をプレトニョフは録音しているようで、イメージに全くなかったのでこれを機に聴いてみようと思います。
Mikhail Pletnev plays Schumann - Piano Concerto (Budapest, 2016)
プレトニョフのファンではありませんでしたが、聴いていく内になんだかファンになっていきそうです。
この人、本当は繊細で優しい人なのかも・・