おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

感覚が柔軟なうちに

2019年05月13日 | グネーシンソルフェージュ
2つの音があればそこには必ず表情が存在します。

突然そんなことをレッスンで始めたのですが、小学3年生までの生徒さんはその感覚を持っています。

年齢が上がるとその感覚は薄れていくようです。
高校生の生徒にその話をしましたら「???」という表情で戸惑っておりました。

小学校高学年でも音程が単純に「明るい」「暗い」もよくわからなくなります。
調性としてはわかります。長調・短調はわかりますが「ミソ」と「ファラ」の違いが色合いとして感じ取れないということです。

ロシアンメソッドは途中で奏法を変えることが可能です。
根気はいりますが不可能ではありません。

しかし、この音感に関するものはやはり若いうちになのだと感じました。

小学4年生(10歳)はそれまでと人間の成長として変化します。

それまでに、なのだと思います。

しかし感覚が鈍感になっていてもイメージを持つことは可能です。
一つのフレーズの中でポイントになる音程が存在した時にそんな話をすることで演奏が変わってきます。
私自身もそうです。

表情のある音を作り出すにはやはり、「奏法」を見直す必要があります。
それを可能にする奏法でなかったために、日本のソルフェージュは演奏に結びつかなかったのだと思います。

当然のことながら、保護者の方はロシアンメソッド以上に音程の持つ特性はチンプンカンプンです。音質が変わる奏法の方がまだわかっていただけます。

またしても耐えなければです。

子供の音楽そのものが子供自ら生み出すことができるようになってきた時に、その意味をご理解いただけると信じています。時間がかかります。

全て繋がっているのです・・
良くない循環が断ち切れるように1人1人が変えていかなければ!です。

そのためにまず、先生方に気付いてほしい。
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例の棒グラフっぽいもの

2019年05月12日 | グネーシンソルフェージュ
こちらのまるで棒グラフ。

鍵盤の代わりですが、これが思いがけず活躍しています。
特に和音の転回形がよくわからない生徒さんに。

今日、大人の生徒さん3人に使ってみましたら子供の生徒さん同様効果テキメンでした!

私たちは実際の鍵盤上で和音の形を想像することができていますが(というより頭の中の鍵盤で)、初心者の生徒さんや大人になってからピアノを始めた方はどうやらそうではないということを知りました。

転回形の話は必ずしてきました。
あとは弾き慣れてくれれば良いと思ってきましたが、いつまで経ってもうまくいかない生徒さんがいるのでどうしたものかと思っていました。
ところが、この棒グラフ(ではないですが)を使うとできるようになるのです。
紙の上に実際に指をのせて弾いてもらいます。

第1転回形

第2転回形


この形が鍵盤上では見えていなかったらしいのです。
これを使って左右の指使いの違いも理解してもらえます。
左は赤が3の指だけれど、右は赤が2になるという具合に。(第1転回形)

形が見えていないことに気付いていなかったのは私くらいなものかもしれませんが、想像出来ていないことはまだまだあるものだと知ったのでした。
保育士志望の生徒さんが「これ、分かりやすいです。私も作ってみます」と言っていました。
どなたでもすぐに作れます。

移調してもこのまま使えます。
是非、グネーシンの動画をご覧下さい!本当に勉強になります。

そしてソルフェージュの概念が覆されます。
ガラガラッ

追記
これは単に形を知るだけではありません。
長3度、短3度、完全4度の組み合わせがどのようなイメージと結びつくかです。
そう考えると転回形によって表情が異なることがわかります。
ソルフェージュや楽典の持つ意味は本来このようなことです。

ということを、グネーシンの動画で思い知ったのでした・・
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予想外に・・

2019年05月09日 | グネーシンソルフェージュ
昨日はガックリきたグネーシンもどきのソルフェージュ。

今日はこれを作った時には「使うか?これ・・」と思いつつ一応作ってみたこの棒グラフのようなものが予想外に使えました。


使うかわからない気持ちで作っただけに気合が感じられない代物です。
サイズもバラバラ・・

さて、これは何かと申しますと鍵盤の代わりです。
左から2つ目の青が主音。緑、赤と3度ずつ上がっていきます。

例えば、C-durならドミソ。
間の白いところがレファ。

移調して使うことができます。

今日は左の伴奏「シファソ」と「シレソ」の区別がつかず、そこに付くメロディー「レドレ」「ファミファ」がごちゃごちゃになる生徒がいました。

練習が足りていないのですが何故やる気になれなかったのか。
似ているけど違う→なんだか混ざる→面倒くさそうだ

と思ったかはわかりませんが、説明をしてもきっと来週も同じ状態でくると思いましたので棒グラフ(グラフではありませんが)を使ってみることにしました。

「シレソ」では「レ」は青と緑の間。
「シファソ」では「ファ」は緑と赤の間。

指使いも確かめられます。

紙の上で弾きながらメロディーを歌ってみました。
そしてピアノで弾いてみました。

少し良くなりましたがまだ本当には弾けていません。
どうやら右にも問題がありそうでした。

GW前の私でしたら「レドレもファミファも隣弾けばいい」などど言って終わっていたと思いますがGW後の私は違う人になっていました。

「レドレドレド」これ明るい?暗い?
同じ音程で異なる音からあちこち弾き、聴いてもらいました。
「ファミファミファミ」も同様に。

どうやらこれで、似ているけど違うの「違う」意味が本当に理解できたようでした。
音が違う話だけでは来週もきっと弾けずに来るのです。と決めつけてはいけませんが、きっとそうです。

「シファソ」の伴奏に「ファミファ」は付けることができない話をしてもやはり間違えて弾いてくるのです。
しかしそこにあるキャラクターの違いを聴き取ればそれは感情と結びつきますので記憶に残るはずです。

実際、今日はこれでこの部分が両方とも弾けるようになりました。

この生徒さんもはじめの一歩を使っています。
同じ音程で出来た曲を探して移調して弾いてみました。なんだか楽しそうに弾いていました。

棒グラフ、音が出ないので案外それが良いのかもしれません。
音を自分の中で想像することができます。
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理想と現実

2019年05月08日 | グネーシンソルフェージュ
特大GW中にグネーシンのソルフェージュの動画を全て見ました。

とても参考になる内容です。

休み明け、早速いくつか試してみました。

が・・・

積み重ねが圧倒的に不足しているので、そう上手くいきません。
本物のソルフェージュも途中からでは困難なのだと知りました。

レッスンをしていて、音程の感覚が身に付いていれば譜読みもずいぶん楽になるのに・・と思ったのでした。
書かれている音をただ弾くのではなく、その響きが持つ感情的なものがイメージできれば自分の中に入ってくるのも早く、しかも生きた音楽として入ってくると気付いたのでした。

「当たり前じゃないですか」と言われそうですが、そんなアプローチをしてこなかったので今頃「はぁ~、そうなんだな」と気付いたのでした。

音なんて読み方を知っていれば譜読みはできる、音楽的なことはあとから分析してくっつければいいと考えていました。

やはりこれも初めから本当のやり方で身に付けるべきものなのです。
しかし、これも生徒たちの音が良くなってきたからその先へ目が向いたわけです。

思ったほどうまくいかず自分にガッカリしましたが、ただ、不思議やはじめの一歩でレッスンをしている生徒さんには多少通じました。

フォルマシオン・ミュジカルの経験も習い始めにしている子供たちなのでそれもあるのかもしれませんが、狭い、広い、暗い、明るいくらいはわかります。

「はじめの一歩」の重音のページに「カニのひとりごと」という詩が書かれています。
最初と最後が減5度、真ん中が完全5度。

減5度の響きを他の音に変えてあちこち弾いて聞かせました。
「どう?この感じ」
「あやしい」
「なんか、不気味だよね。カニがひとりごとで何か怪しいこと言ってるね。何言ってるんだろう・・」

完全5度はそれに比べると爽やかにさえ感じます。

その生徒は出だしの低い音の加線が良く読めていませんでした。
一緒に読みましたが、何の音だとその時に知ったとしても家に帰ったらまた忘れます。
「最初にカニが泡をブクブク出しながら怪しいこと言ってたら合ってる」と言って終わりました。

その音程の持つキャラクターが合っていればたとえ間違えた音を弾いてきても許せると思ったりして・・

いえ、それは正しくはないのですが何も考えずに当てずっぽうで弾いて来られるより良いかと思ったりもして・・

ロシア周辺の子供たちの進みの速さは週2回レッスンとか奏法に無理がないとかそれもあると思いますが、ソルフェージュのレッスンにも大いに秘密があると思います。

たった半年で身に付ける内容で、弾ける曲の幅が相当広くなります。
それからソルフェのレッスンでも、ピアノの弾き方を直していたリ、先生ご自身が良い音、音色の変化を持って演奏されています。
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ナダフくん

2019年05月04日 | 重力奏法
イリーナ先生のお友達Tania Kozlova先生(イスラエル在住)の生徒さんナダフ君。

ウクライナのキエフで開催されたフェスティヴァルに出演した時の演奏です。
Bach: Piano Concerto in G minor - Nadav Ein-Gal with the Kiev National Chamber Orchestra


お辞儀が慣れていない感じで初々しいです。
芯のある音で演奏するのがこの先生の生徒さんの特徴でもあります。

タニア先生の女の子の生徒さん2人がアリエ・ヴァルディ氏の音楽番組に少し前に出演していました。

個人の音楽教室でこれだけの生徒さんを育てる力量は凄いものです。
先月イギリスでイリーナ先生のワークショップが開催された時にタニア先生のマスタークラスも開催されていたのを写真で拝見しました。この2人とエレナ・コッブさんが一緒にイギリスのワークショップに携わった感じかと思います。

すごい・・

タニア先生(全く知り合いではありませんが、苗字がコズロヴァさんかコツロヴァさんかわからないのでファーストネームで)の選曲が独特でおもしろいです。

youtubeでTania Kozlovaと探すと出てきますので是非。

そういえばもう10年くらい前に放送されたEテレ「スーパーピアノレッスン」でシフが講師をしたベートーヴェンのピアノコンチェルトをレッスンするシリーズで、イスラエルの女性ピアニストが出演していました。2番を演奏していたように思いますが上手いなぁと思って聴いていました。
当時はイスラエルの音楽家は少ないように思っておりましたので良いピアニストがいることが意外に思いましたが、ユダヤ系ロシア人が移住している国でもあることを考えたら素晴らしい指導者に恵まれた国なわけです。

ロシアンメソッドを知り始めたら海外の音楽教育の素晴らしさも知り、自分は何を生徒たちに教えてきたのだろうと取り返しのつかない時間を過ごさせたことを悔いています・・


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ランランのエリーゼ

2019年05月04日 | 重力奏法
子供が弾くエリーゼしか聴いたことがないかもしれませんが、プロが弾くとこのような曲になります。

伝えられぬ想い。ベートーヴェンにこんな一面があったのだと意外性さえ感じます。
あの高潔で前進あるのみ、気高き男ベートーヴェンのこんなロマンティックな面を描き出すとは流石ランラン。

よく耳にする曲をもう一度見直して、芸術作品として表現することを子供に求めることが必要だと思いました。

このあとも子供たちがよく弾く曲を演奏してくれています。

ちなみに私はランランのファンというわけではありません・・

Classical Up Close: Lang Lang
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