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「母の日」に考えたこと

2011年05月10日 | ブラジル雑記

しばらくまえのことになりますが、リオのヘアレンゴで起こった乱射事件の犯人が埋葬されました。
事件の最中に、自殺したんです。
埋葬にはだれも参列しなかったそうです。
そりゃそうですよね。
親族に対しても「殺してやる」っていう脅迫を受けているのだそうです。
この事件に怒った人たちから。
ブラジルでは、犯行を起こした犯人そのものに対してや、親族に対する復讐がよくおこります。
完全な逆恨みです。
もともとこの犯人は、この親族にとっては、「養子」なんです。

今回の事件の動機は、「この学校に在籍していたときに受けたいじめ」だったそうです。
もともと、この犯人の母親が精神的に病気のある人で、子どもが育てられる状態でなかったため、犯人の養母が養育を引き受けました。
生みの母親の病気の影響か、精神的には不安定で、学校に通っていたときにも、一人でいることのほうが多かったそうです。
それがいじめを受ける原因になったとか。

その後、この学校を出て、家も出て、一人で暮らすようになりました。
最近、唯一彼をかわいがり、理解者であった養母がなくなり、彼は一気におかしくなっていきました。
ひげを伸ばし、「イスラム テロ組織」をまねるようになっていきました。
事件後、彼の家の中からは、実在しない人物が現れる、彼の考えを書き綴った紙がたくさん発見されたそうです。

でもね、誰も参列しない埋葬の風景を見て、考えちゃいました。
きっと彼は小さいころから、こうやって、たった一人で生きてきたんだろうな。
その彼を唯一かわいがって、理解してくれたのが、死んでしまった養母だったのでしょう。
その養母がなくなって、一気に彼の精神は壊れてしまったんでしょうね。
だからといって、何人もの子どもを殺してしまったことに対する言い訳にはなりませんけど。

「母の日」の日曜日、銃撃戦のあった学校の前では、子どもを今回の事件で亡くした母親や親族・学校関係者たちが集会を開きました。
あんな事件がなければ、笑顔で迎えられた日だったことでしょう。
それを見ながら、たった一人で埋葬されていった犯人のことも考えてしまいました。
コメント (2)
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