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ブラジル教員事情

2011年05月13日 | ブラジル雑記
13日の金曜日だそうで。
言われてなければ気がつかなかったけどね。

さて、先日ニュースを見ていたら、興味深い調査の結果が発表されていました。
現在ブラジルでは教員を志望する若者が激減しているそうです。
進学希望の高校生にアンケートを取ると、教員を志望する生徒は、約50人当たり一人の割合。
この4年間で教育学部の学生は約半分になり、教員免許を取る講座も約3分の1まで減ったそうです。
また、教育学部に所属し、教員を希望する学生の約半分が、ブラジルではいわゆる「低所得者層」と言われる階層に含まれる家庭の出身で、母親の学歴が小学校卒業まで、80パーセントの学生が公立校出身だということです。
そのため、教員の質自体も落ちてきていて、ブラジルの教育全体の質の低下が懸念されているとのこと。

教員の志望者が激減していることの理由の一つは、まず、給料が低いこと。
現在の公立校教員の初任給は週40時間の契約で月給が1187レアイス(約55000円)。
最低給料の40パーセントましぐらいです。
州によってはこれよりもずっと低いところもあるそうです。
この給料に対して、教員の仕事は、教育計画の立案から、授業の準備、生徒の一人一人の様子の管理等々、果てしなくあるということで、学生の多くが「この給料の額に対して、仕事量が割に合わない」と感じているそうです。
それに、最近問題になっている「いじめ」の問題。
これは生徒間だけでなく、教員に対しても暴力などがあるそうです。
私も以前、ボランティアで近所の高校で日本語を教えていたことがあるのですが、高校生の男の子にすごまれると、わたしのようなおばさんでも、やっぱり正直怖いですものね。

ただ、これらの現状はあくまで公立校の問題で、有名私立校、公立でも国立校などの実態は別なようです。

でも、教員のお給料が良い都市部の有名私立校は、生徒の払う授業料がとてつもなく高いです。
国立校は入学のための倍率が驚くほど高いので(都市によって異なりますが、約50倍から100倍です)、受験のために高額の塾に行かせる家庭がほとんどで、その塾代がまたばかになりません。

ということで、ブラジルの教育、国民の半数以上が通う公立校では質の低下が懸念され、授業料の高い有名校ではその心配がなし。
どんどん学力、学歴の上でも、その後仕事に就いてからでも、大きく差が開いていくということらしいです。
コメント (4)
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