アマゾンわんわん日記 2018

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イゾラド考2

2018年12月17日 | ブラジル雑記
森の中から出てきた「イゾラド」の二人。
一人が癌で亡くなった後、残った一人はポツポツと語り始めました。

「大きなカヌー」「煙」 「火花」等々…

そこからは、彼の部族が何者かに攻撃を受けたのではないかと思わせるような緊張感が伝わってきました。

彼を保護したFUNAI(インディオ保護局)の担当官は、彼が発見された森に まだ部族の生き残りがいるのではないかと、探しに行きました。
そこでFUNAIの担当官たちが見たものは…

森を切り開いて作った鉱山。
鉱山に至る道路。

二人の仲間が残っているのではないかという期待を抱かせるような光景は、どこにも残っていませんでした。

現在 アマゾンの森は年々急速に減少しています。
乱開発の主な原因は まずは木材の乱伐。


こうして乱伐された木材は、正規に出荷されたものよりも かなり安い価格で取引されます。

また、鉱山開発
ボーキサイト、鉄鉱石など、アマゾンの地下には多くの地下資源が眠っているのです。




金の採掘などもあります。



金の採掘については、ガリンペイロと呼ばれる採掘人による場所の占有のほかに、金を精製するために使う水銀による水質汚染も大きな問題になっています。


水俣病と同じような症状を示すヤノマミ族の女性

そして 農地への転換





税制上 優遇措置を受けられることなどもあって、多くの牧場やサトウキビ畑が作られました。



こうした乱開発は、森の住人である野生動物やインディオの居住範囲をどんどん狭めていきました。
それだけでなく、狭めるべき土地がなくなってくると、野生動物たちだけでなく、森の住民であるインディオ達の命を奪い、その土地を奪っていったのです。

イゾラドの残された「彼」がポツポツと語っていました。

「大きなカヌー」「火花」「煙」…「矢」「死んだ」「みんな」「子供」「いない」
                                …「歩く」「たくさん」
「イゾラド」の二人は 二人きりで 何日も何日も生き延びるために 歩き続けたのかもしれません。





コメント
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