アマゾンわんわん日記 2018

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選ばれるか 殺されるか

2020年10月25日 | ブラジル雑記
今 選挙と言えば...?
誰もが思うのは アメリカの大統領選挙。
今日ニュースで見ていたけれど、あちらでも某大統領の支持者が暴力的な手段を使って対抗候補者の支持者を排除しようとしたり、自分たちの指示する候補者に投票するように圧力をかけたりといったことが行われているような報道が流れていました。
まあ、あくまで報道は一面からの見方なので、すべてが正しいというわけではないですから。
ただ、選挙に暴力が介入しているということだけは 事実のようですね。

ブラジルでも今年は11月に全国で地方自治体の長および議員の選挙があります。
そのための候補者の広告放送(政見放送でなくてね)も先週ぐらいから始まりました。
日本だったらね、候補者の名前とか政見とか語るだけかもしれないけど、ここでは名前に職業を付け加えたり、通称で選挙に出たり、見ていてなかなか楽しい。
私の昔の仕事の先輩は選挙の時期になると、毎日政見放送を見ていたものでした。
下手なドラマ見ているより面白いってね。

さて、ブラジル 選挙戦が白熱してくるとともに、選挙がらみの犯罪が急増してきました。
10月17日までの段階で 選挙がらみの暗殺で亡くなった方は18の州で70件でした。
それから1週間、10月24日の段階では、25の州(ほぼブラジル全土)で125件という数字になりました。
たった1週間の間に選挙がらみの暗殺事件はブラジル全土に広がり、亡くなった方の数は2倍近くになりました。
こうした暗殺事件のほとんどは都市部でなく各州の内陸部の地方都市で起こっています。
こうした町では地縁による、あらかじめ根回しされた候補者による選挙活動がこうした選挙がらみの犯罪につながっているものと思われます。

     *     *     *     *     *

市議会議員の暗殺で忘れられないのが 2018年に起こったリオの市会議員Marielle Francoの暗殺事件です。
さまざまな差別から女性を解放しようと活動した彼女は、運転手とともに暗殺されました。
彼女の死は多くの人に衝撃を与えました。
私が忘れられないのは、娘の大学の卒業式。
ブラジリア大学政治学部の卒業生答辞に選ばれたのは、近郊のファベーラから通うアフリカ系の黒人の女の子でした。
彼女は壇上で語りました。
大学では黒人だということで、明らかな差別こそ受けなかったものの 居心地の悪い思いを何度となく感じました。
自分の住むコミュニティでは大学に通っているということで、家族が嫌な思いをしたことがあります。
毎日 片道2時間かけて バスで通学していたという彼女は言います。

でも、私が負けません。
私は自分の住む地域のMarielle Francoになる!
暴力や差別のない社会を作っていきたい!

思わず涙がこぼれました。

でも、彼女のような志をもった人ばかりではない。
自分の利益のために選挙を利用する人達が多くいるのが現在の状況です。
これからの人たちが 安心して自分の主張を述べられる社会になっていくことを祈るばかりです。
コメント
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