ペケママの住むアパート近くのショッピングセンター。
再開発計画で近年整備された地域。
ここの下には噂のLRTの始発駅があります。
ここの1回にはスーパーマーケットがあって、今でもそうだけど、夫がいたころは毎日お買い物散歩に来ていました。
ショッピングのお隣はきれいな広場
ここに小さな小川があります。
訪ねてきてくれたサンパウロの友人クルッポンが「すっごい きれいな小川ですねー」と感動してくれたっけ。
作られたきれいな小川なのよ
ここに一匹の大きな鯉がいました。
何故か一匹だけ。
仲間を探したけど、見つからなかったわ。
最初に発見したのは夫でした。
動物好きの夫はもう夢中。
ここに来るたびに柵に寄りかかっては、ずっと鯉を眺めていました。
「鯉太郎」って勝手に名前を付けてあげました。
うまく歩くことが出来なくなり、車いすを使うようになっても、この小川のところまで来ると車いすを降り、柵につかまってゆっくり歩いて「鯉太郎」を探して。
立ち上がるのが難しくなっても、ここに来ると小川を見たがるので、支えながら車いすから立ち上がらせていました。
本当に、最後に入院する2日前まで。
「鯉太郎」に魅せられていたのは夫だけでなく、毎日同じ時間に自転車で餌をあげに来るおじいちゃん、夕方仕事の帰りがけ?に覗き込むおじさん。
主に男性が中心でしたが「鯉太郎ファンクラブ」ができていました。
「鯉」っておじさんを惹きつけるのかね?
その「鯉太郎」がいなくなりました。
夫の最後の入院やその後のいろいろで、しばらくの間小川を覗き込むことが出来ませんでした。
落ち着いてきて、もう一度小川を覗き込む余裕ができましたが...「鯉太郎」の姿は見つかりませんでした。
次の日も、次の週も...
「鯉太郎」を探しているのは私だけではありませんでした。
午前中、いつもの時間に通りかかってみると、「自転車おじいさん」が小川の前で立ち止まっては行ってしまいました。
夕方スーパーマーケットで買い物した帰りに暗くなった川面を覗き込んでいると、向こうのほうでおじさんが同じように覗き込んでいました。
「いなくなっちゃいましたね、鯉。」と声をかけると、「寒くなったしね。」と言っていました。
寒くなったから、もっと暖かいところに移されたのかな?
それだったら良いけど。
夫が連れて行ってしまったのではないといいけど...