今夜のニュースステーションに「天才腹話術師現る」と新聞に書いてあった
ので、何時頃やるのかなと思いながら、フジテレビの「ここがヘンだよ日本人」
を見ていた。この番組、私好きなんです。今日はこれまで放送した中で抗議の
多かった話題を取り上げていた。インド、パキスタン、イラク、韓国、中国、
メキシコ、アフリカのそれぞれの国の人たちの率直な意見が聞けて興味深い。
思慮深い人、心を広く日本人を見てくれる人、率直に日本人のいけないこと
指摘する人、そりゃまぁいろいろな意見が聞けて、この番組の企画は素晴らし
いといつも感心しながら見ている。正直、私はアフリカ(アフリカを一つの国
のようにまとめることが日本人のわるいことだ、といってた)、イラク、イン
ド、パキスタンの人と付き合うことはなく、その人たちの考えなど聞く機会は
皆無だ。
そんなわけで、その番組を女房と(女房もこの番組が好きで、たいがい私と
同じテレビは避けるようにしている彼女だが、これは一緒に見てくれる。いつ
か書きますが、女房のテレビに対する考えは独特なモノがある)見てから10
チャンネル(関東ではこれなんです)のリモコンのボタンを押すと、ちょうど
腹話術をやっているところだった。
終わって思ったことは、一言「すごい」です。ほとんど口を動かさず、右手
の鳥と左手の人間(おじさんのような)を違う声でやる。そのうち、声が入れ
替わったり、全員同じ声になったり、感心したのは本人の声を、口を閉じたま
ま鳥やおじさん人形に喋らせたことだ。
私も20代の頃、腹話術を練習した。これでもかなりできるほうだと思って
いる。テレビなんかで出てくる腹話術師は、けっこう口が動いててありゃイン
チキだと私は思っていた。まだ、私のほうが口を動かさないで話せる。
そんな私が見ても、いっこく堂という人はすごかった。
腹話術が終わってから、彼のこれからやりたいという「一人芝居」を見た。
これがまたよかった。一人しかいない(当たり前だ、一人芝居だ)のに、姿
のない相手たちのセリフが聞こえる。新しい世界だ。
こういうのを見ると、生きててよかったと思う。
彼は、独学で28から練習したそうだ。今、たしか35歳。彼の活動範囲は
これから広がると思う。
今日、10時から、NHK教育で「ETV40周年記念・テレビが記録した
知性」という番組を見た。
三島由紀夫がインタビューに答えてる映像が最初に映った。
女房が、
「私が中学2年のときだな切腹したの。美術の時間に先生が、『三島が死んだ』
と話してくれた。あの先生、好きだったな。私、子供が生まれたら先生の名前
の『講』とつけたいとヒサシ君にいったら、イヤだっていったの覚えてる」
「覚えてねぇよ、そんなこと。おれは、高3だった。体育の授業が終わって購
買部になんか買いに行ったら、そこにいた先生が教えてくれた。文学青年では
なかったがショックだったな」
女房の話聞くより、おれは三島の話を聞きたかった。
その後、川端康成、伊藤整、永井荷風、志賀直哉、林芙美子、佐藤春夫、芥
川龍之介、谷崎潤一郎、幸田文、安部公房、松本清張、司馬遼太郎、藤沢周平
などの映像が映った。初めて見る人がほどんどだった。
幸田文って、名前からすると、上品な奥様ってな感じだったけど、なかなか
気っぷのいいお姉さん、という印象だった。そういえば、永六輔が、「あの人
の話す江戸弁は、なかなかきけないよ」とラジオでいってたのを聞いたことが
ある。
しかし、なぜ山本周五郎の映像がないんだ。