私は、寝るとき「どてら」を使う。 九想話を読んでくれる人の中で「どてら」というものを知っている人がどの くらいいるのかな。標準語でいうと「かいまき」っていうのかな…。辞書を引 けばいいのだが、正月にハードディスクの中をきれいにしてしまってから、広 辞苑を引くソフトをまだ入れてないので調べられない。紙の広辞苑もあるが、 今日は眠たいので触る気もしない。 子どものときからどてらをかけて寝ているので、もう放せない。毛布だけだ と、首のまわりが寒くていけない。 昔っからだけど、私がかけてるどてらは、母のつくってくれたものです。 今のは、10年以上は使っているものです。ですから、内側のほころびがすご いです。3年ほど前に女房に繕ってもらった。それがひどい繕いかたなんです。 裏には浴衣生地がついてるのですが、その破けたところにタオルをあてがい、 大雑把に糸でとりつけてある。 最近、その隣あたりが破けた。寝るときは、そ~と手足を入れないと、ほつ れた裂け目に突っ込んでしまい、どてらの中綿に届いてしまう。 ですから、そ~と体を入れ、どてらの下に落ち着いたら、なるべく体を動か さないようにしている。しかし、眠ってしまえばそうもいかない。 なので、破れたところがだんだん大きくなる。年末まで毎日残業のわが妻 に、正月休みに恐るおそるお願いした。 「どんなふうでもいいから、どてらのほころびを縫ってくれないか?」 と…。 縫ってくれました。また、タオルを一枚あてがい、粗い針のはこびですが、 なんとかタオルがどてらの裏にくっついている。現在、手足がどてらの破れ目 に入らずに、それなりに快適に寝られる。女房どのに感謝しています。 しかし、あいつはヴォーグの編み物学校を卒業してるんだよな。昔、息子た ちが幼かった頃、手のこんだセーターを編んでは着せていた。わが女房ながら なかなかやるな、と感動したこともあった、のに…、あのどてらの修繕のしか たは、ヴォーグの学校にいた人間とは考えられない。 |