日曜日、めったにない休みだったので、NHK将棋トーナメントをテレビで観た。
2回戦第6局で、井上慶太九段と菅井竜也五段の闘いだった。
この2人は師匠と弟子の関係だという。
菅井が小学生のときに井上九段に弟子入りしたそうだ。
戦う前、菅井五段は、“恩返し”をしたいと元気がよかった。
“恩返し”とは師匠に勝つことです。
井上九段は、できるなら(弟子と)指したくない、といっていた。
菅井五段が先手で石田流(三間飛車)で攻めた。
井上九段は、受けにまわて指していたが、どこかで間違ったようで、形勢不利になった。
そのまま菅井五段の攻めが続き、師匠が投了した。
あらためて将棋というものは残酷なゲームだなと思った。
テレビでは菅井四段といってたのに、
第61回NHK杯テレビ将棋トーナメントのサイトを見ると五段になっていた。
どうゆうことだろうとネットで調べたら8月24日に四段から五段になっていた。
おそらくテレビ収録したときは四段だったのでしょう。
昔、息子たちが幼稚園のときに私は将棋を教えた。
2人はけっこう好きになり将棋を指していた。
小学生になって所沢で将棋大会があると、私は息子たちをそれに参加させていた。
それなりにいい結果を出していた。
女房の実家のある練馬区の将棋大会に祖父が連れて行ったときに、優勝したりしたこともあった。
私は、このままいけばプロ棋士に弟子入りさせて、
あわよくば、なんて考えたこともありました。
なにしろその頃強かった(現在もですが)棋士は所沢出身の羽生善治だった。
小学3年の頃だったか。
息子たちが私の前で将棋をしていたとき、
片方がだんだん辛そうな顔になり、大粒の涙を流しはじめた。
その将棋を最後まで指したかどうか忘れた。
それ以来、息子たちは将棋を指さなくなった。
テレビゲームは相変わらずやっていたが…。
将棋は、相手と自分の力がハッキリ分かる。
否が応でも自分が相手に劣るということを認めないわけにはいかない。
運など入り込まない厳しい勝負です。
その点、テレビゲームは途中でリセットしてしまえばいい。
息子たちは、将棋の厳しさに耐えられなかったんだろうな。
双子で同じ歳の兄弟と将棋を指すということが辛かったのかも知れない。
でもそれで良かったのでしょうね。
あの世界で生きることは過酷だ。
といっても、サラリーマンで生きることだってそれにりに大変だ。
あいつらも現在、生きる苦労をかみしめるときがあるんだろうな。
そんなことを肴にして、息子と酒でも呑みたいものだが…。