三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

森と暮らす家

2006年08月22日 04時56分36秒 | Weblog

居間には大きなピクチャーウィンドが全面に広がっています。
しばし、撮影を忘れて、その森の眺望の心地よさにうっとり。
正面には岩手県の木であるアカマツが繁り、
それを取り囲むように東北らしい広葉樹・針葉樹の群生が展開している。
四季折々、いっときも変化を止めることのない
ゆたかな森が生活のなかに取り込まれています・・・。

ちょっと、取材は夏休みでしたが、きのうから
ふたたび、いろいろな日程が入ってきております。
きのうは岩手県盛岡市北方の滝沢村に取材に行ってきました。
滝沢村は豊かな財政基盤に恵まれた自治体で
隣接の盛岡市と合併せず自立している村。
高速のICからして豊かな森の中にあって、伸びやかな心地がします。
以前東京で暮らしていた建築家のご夫婦が建てられたのがこの住まい。
ご主人の仕事場に近く、高速などのアクセスもいい立地条件。
敷地は300坪ほど。しかし、南側に面して県の管理する
自然公園に隣接した土地なのです。
住宅新築に当たって、古い家が付いたこの土地と巡り会えたのですね。
建築家って、こういう立地条件のいい敷地を探すのが巧み。
というか、自分自身の家であれば、おのずと
素晴らしい選択眼が働いてくるモノなのでしょうね。
建物はまた次回以降にご紹介するとして、
やはり住宅、それも自由設計の注文住宅であれば、
その建てられる敷地の選択は、もっとも大きな部分です。
なにを大切に暮らしたいのか、の部分が端的に表れてくる部分でもあります。
マンションなどの都市型集合住宅に対して、
生活の器としての戸建て住宅の、最大のメリットでもあります。
そこがしっかりと明確化された住宅であれば、
設計プランとしては、ごくシンプルに明快なプランがぴったりだと思います。
この家では、南面する居間・食堂などのメインスペースに
大きな木製窓が大開口を形作って、眺望が開けられているのです。

ついつい、時間の経過を忘れてしまって
椅子にどっかりと腰を落ち着けて、しばし美しい森に癒される時間を
楽しませていただきました。
やっぱ1/f のゆらぎ。
歩みを止めることのない自然の変化に抱かれて暮らすのが
人間にいちばん似合った、内省的な人生を楽しめるものだと思います。
おとぎの国の森を訪れたような、・・・楽しい一日でした。
コメント
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