三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

森と暮らす家_2

2006年08月23日 05時36分15秒 | Weblog

きのうご紹介した家の続編です。
この家は、いろいろな思いが込められた住宅。
写真は外観と、換気で吸気用の塩ビ管ダクトです。
このダクトは、ベタ基礎で外断熱された床下空間に外気を取り込むためのもの。
換気はパッシブ型の考え方で、廃棄側は
屋根の近くに簡易な換気扇が取り付けられています。
内部の主暖房装置である薪ストーブのすぐ直近に開けられた空気導入口から
床下ピットを通った外気が、薪ストーブがもたらす上昇気流によって
室内に迎え入れられ、大きな吹き抜け空間を介して
建物最上部の排気口から出ていくという流れが考えられています。
まぁ、大きく機械に依存せずに、自然なかたちの換気システム。
夏場については、大きな居間開口部の窓下に付けられた
「換気窓」を開放させて外気を導入し、
外気と室内空気の「温度差」による、自然対流で、
換気を行おうという考えですね。

外観的には、シンプルな切妻が基本。それに対して、
建物外周をぐるっと「下屋」~げや~が取り囲むように配置されています。
基本性能的にはこの切妻の単純な形態で
断熱気密の性能を確保させやすくデザインしているわけですね。
下屋部分は、ごく一部を除いて、断熱的には外部の扱い。
豪雪地帯とは言えないまでも、積雪も多い地区なので、
屋根形状は単純にして配慮しています。
ことしの冬はけっこうな積雪もあったということで
ややごつい雪止めも装置しています。
屋根上には太陽熱で温水を得るためのソーラー装置を取り付けました。
冬場は、若干ボイラーによる加温が必要ですが、
夏場には、ほぼ十分な温水がこれで得られるということでした。
外壁に張っているのは、杉板。
隣家との距離が十分に取れるメリットを生かして
木の素地表しという質朴なデザインを実現しています。
十分に下屋の庇が伸びていて、外壁を保護しているので
メンテナンスの意味でも大きな問題は出ないでしょうね。

外観的には、非常にシンプルな表情を見せていますね。
北国型の住宅のデザインとしては、
やはりこうした単純形態が、自然条件に似合っている、といえるでしょう。
ポイントは、やはり下屋部分ということになります。
・・・という部分は、明日のブログで。
仙台から滝沢村、2カ所の撮影で往復してきましたが、
移動距離は約400km。
だんだん、疲れが出てくるようになって、
仙台に帰ってきたら、バタンキューでした。・・・はあぁ、歳ですね。(笑)
コメント
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