三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

海辺の白い家

2009年06月28日 06時21分00秒 | Weblog



ほぼ真夏のような陽気が続いていますね。
きのうは、仙台および近郊で住宅取材でした。
写真は、七ヶ浜の海辺の住宅の様子です。
漁家の娘さん夫婦が、生家の敷地内に建てたという住宅です。
立地としては、まさに海に向かって開かれている眺望が最大のコンセプト。

七ヶ浜というのは、
多島海である松島などと同じような成り立ちのようで、
地域全体が、島のようでもあります。
入り江も入り組んでいて、この写真のように対岸側もごく近い。
敷地は海に対して東側が面している。
取材に伺った午後からは、海側から見るとやや逆光。
そういう立地背景のなかに、白い外観が海から眺望できます。
海が仕事場であるお父さんは、
娘夫婦や可愛い孫のありかがすぐにわかるようになっている。

宮城県内や、東北全体でも感じているのですが、
北海道で住宅取材をしているときに比べて
圧倒的に地域景観との対話型の設計スタイルが感じられない。
北海道では、豊かな自然景観が都市の中でも発見できるよろこびがあるけれど
東北ではそのような暮らしへの積極的な楽しみ方のスタイルがやや感じられない。
伝統的な住宅建築のスタイルの中にそういう部分が少ないのでしょうか。
逆に北海道では、たとえば二間続きの和室、というような
生活習慣的な親戚関係を前提としているライフスタイルが薄くしか存在せず、
一方で、風景とのふれあい、景観の中で楽しむという
そういう開放的な住宅づくりが行われているとも言える。
そんなことから、なんとなく「北海道スタイル」とでも言えるものがある気がします。
そんな思いをしている中で、
こういう直接的な生活表現欲求をもった建て主さんというのも出てきた。
「わたしはこんな暮らし方がしたい」という
メッセージ性が訪れるものにシンプルに伝わってくる。
この土地らしい暮らし方が明快で、
まことに素直に建てられている住宅だと思います。

暑い一日、
こんな住まいの取材で、たいへん気持ちがスッキリとして
清涼感に満たされたような印象を感じておりました。





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コメント
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