三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

床板の玄関扉

2009年06月29日 07時01分58秒 | Weblog



散歩の道すがらにこんな玄関扉を発見したしました。
店舗のようなんですが、
設計者や施工者は当然、不明であります。
でも思わず、「いいなぁ、これ」であります。

玄関扉って、建物を建てたらいちばん使用頻度の高い部位。
出入りには必ず使用するわけで、
そういう部分に対して、どういうセンスを持って望むのかは、
建てるひとの感受性を表してくる部分であり、
毎日使う側にとっては、その建物への愛着に関わってくる部分。
ある設計者から、毎日使う場所だからこそ、
その素材とか材質、質感、すべてに満足感が必要だと言っていましたが、
まさにその通りで、見た感じや、さわった感じなど、
感受性のすべてで、受け止めるべきものですね。

で、この扉、一見してそのまんまなんですが(笑)
扉材に古いフローリングを再生利用している。
無垢板で、多くの人間の踏んだ痕跡感が感じられる。
塗料のはげた感じ、素材と時間、使った人間の肌の感じまで
そのまんま、そこから立ち上ってくるような感覚がある。
たまらなく懐かしい気持ちが沸き起こってくるような印象。
取っ手はシンプルなデザインの太めな金属製。
扉の枠も色調が整えられているので、統一感もある。
どうも、歳を取ってくると
こういうデザイン感覚に同意したくなってくる。
結局人間がいちばんやすらぐのは、素材の質感と時間感覚。
ざらついた表情に、こちら側の心象風景も掛け合わせて感受するようになる。
まぁ、こういうデザイン手法、
良くあるのだろうとは思いますが、
なかなか悪くはないなぁと、ひとり納得しておりました次第。





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