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そもそもレコードを聴いた時に、ビートルズの演奏とずっと鳴り止まぬ歓声が全く別物で、まるで両方を無理矢理合わせたように感じたものだが、実際にはビートル・マニアといわれた黄色い歓声は彼らの演奏中途切れなく渦巻いていた。その中でPAシステムもない状況で演奏していたライブである。時には「カン」に頼って演奏していたのではないだろうか。もしそうだとしても、本当に素晴らしい演奏を彼らは聞かせる。さすがデビュー前も百戦錬磨のライブ活動を重ねただけのことはある。ビート・バンドとしての実力を発揮している。そんなことを感じさせる生々しいサウンドがリミックスとリマスターされたCDから飛び出してくるのだ。今回はLP盤の13曲に4曲がボートラとして加わった。いずれも未発表とのことだが大ヒットした「抱きしめたい」や大好きな Baby’s In Blackなどが含まれ私としては大満足である。
ところで、ライブ盤というと、大方のアーティストは会場の臨場感をだすためかヴォーカルにリバーブやエコー処理をする場合が多いのだが私はそれがあまり好きではない。本アルバムもその処理は同じで、やはり声にリバーブが加えられているのが、CDの方ではまた違った響きのように感じられる。少し違和感を感じながらも全体を聴き通したわけだが、結論としては「やっぱりビートルズはイイ!」のである。