上砂理佳のうぐいす日記

銀座中央ギャラリーの版画展、お越しのお客様、ギャラリーでお世話になった皆様、ありがとうございました!★

歴史的全日本女子?

2005-12-29 | 05-06 コンペとショー
全日本女子のTV放映はフジの年間最高視聴率だったそうですが…それよりも何よりも、ファイナルの時も驚いたけど、「代々木」が天井まで観客でビッシリ埋まってるあの光景って。すごいですねえ。
男子の時に帰っちゃう人も多いと思うけど、やはり層の厚みがどうしても女子のほうが充実してて、見応えアリなのは否めないか…最終グループ6人が全員GPシリーズで表彰台に乗ってる、って地球上でJAPANだけよ。でもこれから男子もわかんないわ。
女子に続き、来たれ!日本男子黄金時代!

女子は、真央ちゃんの3アクセル2回(史上初なの!?)とか、恩ちゃんの見事なリベンジとか、舞ちゃんの華麗なる舞い(シャレ?)、とか色々ありましたが、私的にはやはりベテラン2人の素晴しい演技が心に残ります。なんというのか「これぞフィギュアスケート」。格が違うという感じ。
★静香ちゃん
 GPシリーズでいまひとつノリきれてなかったのは、やはりタラソワさんの構成
 による「密度高すぎ」のPGによるものか。確かに素晴しいPGなんだけど、息
 つく間もなく「こなさなきゃ、こなさなきゃ」で、気持ちを込める隙間が無い
 ようだった。
 今、またモロゾフのところへ行って改良を相談してるということで、そのほうが
 良いのかも(曲はこのままが良いな~)。
 タラソワさんはその経験値で素晴しい指導をなさるとは思えど、はっきり言って
 もうこの新採点法時代にチャンピオンを輩出するのは、無理かもしれない。
 去年からのタラソワ製PGを、色んな選手で見るにつけ、そう思う。
 今回のフリーはミスはあれど伸び伸びとしてて、静香ちゃん本来のダイナミック
 な魅力がくっきり。スパイラルが滑らかで大きく素晴しい。やはり一回りスケー
 ルが違うのよ。それに「お客さんと一緒に楽しもう」という姿勢が見える。もう
 プロに近いのかなあ。残り少ない日々、静香ちゃんの演技で感動したいー。
★恩ちゃん
 PGを変えてきて…これもモロゾフ?なんかもう、モロゾフって「駆け込み寺」
 状態だ。前のジェルソミーナで良いのではないか、と思ってたけど、私はこれを
 見てはっきりわかったような気がする。恩ちゃんは「こーゆーの」が滑りたかっ
 たのね?可愛く溌剌と、でも女らしく…と周囲が無理に「型」にハメようとする
 のがいけなかったのね。
 このドラマチックで男性的とも言えるPG。「押して押して」いくでしょ。
 このほうが得意の高いジャンプをバクハツさせるにはピッタリ。
 選手それぞれで「ここに命かけてます」というポイントがあるのだが…真央ちゃ
 んなら3アクセルを成功させること。章枝ちゃんなら、観客に思いが伝わるよう
 に。恩ちゃんはキレのいいジャンプを次々決めることに、「命かけてる」ポイン
 トがあるのだった。
 今日は動きのキレが素晴しくスピンもいい。なんかソルトレイク前後の時代を思
 い出してしまった。演技後の感涙のポーズが、今季一番、私には清々しいもので
 した。
★真央ちゃん
 正直いって、GPFの時のあの「歴史的な瞬間」みたいなオーラは感じなかった
 (それは私がナマ観戦してないからでしょうか)。
 3アクセルを2度入れるのは素晴しい挑戦だけど、みどりちゃんの全盛期を見て
 る私にとって、それはまた別の感触だ。みどりちゃん、PGの後半で3アクセル
 +3トゥを跳んでましたんよ。完璧に。公式練習の映像だったけど。
 やっぱアレを見てしまうと、「アクセル2回」と言われても決して驚愕したり
 しないのだった。
 でもしかし、今の勢いと充実度は素晴しい。確かに今、このノリで五輪へ流れて
 行ったら、長野のタラちゃんみたいに金メダルかもしれない。
 でも4年後に、今以上に質の高いスケートを滑れるように成長している方が、
 よっぽど「偉大」だと思うが。
 PCSは、TESにつられて上がる傾向がファイナルの頃から見えてきたので、
 あのように高いのだと思います。でもでも、とにかく可愛いね。
 真央ちゃんファンの方は「くるみ割り」のバレエのほうも是非見てください。
 随所にバレエの振付のニュアンスが盛り込まれていて、楽しいです。
 それに何より、真央ちゃんがクララそのものだもんね。変に背伸びせず、年齢に
 合った等身大のPG作りも、今季の大成功の大きな要因。
★中野さん
 “ゆかりん”として定着した中野さんですが、今季はずっとジャンプが安定して
 て、そのせいで他の要素も安心して楽しめる。
 滑りがなめらかになって、顔の表情も良くなってきたのが最大の成長。嬉しい。
 ただこのフリー「ドン・キホーテ」のPGは、かえって損をしてるような気が
 するのですが。クラシック王道で、過去に素晴しい「ドン・キ」を踊ってきた
 先輩がゴマンといるので、よっぽど先鋭的なものを打ち出していかないと、国際
 舞台でPCS7点台の壁をブチ破るのは、ちょっと難しいかもしれない(それ
 に、何故衣装がピンクなのだろう?ドルネシア姫なんだろけど、音楽と合って
 ないのも疑問。やはり、オーソドックスですが、ここは赤と黒の“おきゃんな”
 キトリ衣装であってほしかった)。
 「ドン・キ」私的にはやはり、サラ・ヒューズですわ。あのポジションの美しさ
 は、バレエとフィギュアの見事な融合でした!
 ともあれ、地道に頑張ってきた彼女が初めて世界選手権に行けることになったの
 は、本当に喜ばしいのヒトコト(偉そうですが)。祝!
★美姫ちゃん
 曲を変更すること、ついに決意したのかしら。
 紅白審査員といい、どうして彼女を消耗させることばかり周囲はやってしまうの
 だろう。「フィギュア広告塔」みたいな過剰な重荷を背負わせて、どんどんすり 減っているような気がしてならない。
 そんな気の毒な目で見るからか、SPもフリーも私には、はかない哀愁(という
 か苦悩)が感じられて、思わずニギリコブシで応援してしまうのでした。
 美姫ちゃんも「ジャンプに命かけたい」タイプだと思うので、やはり、跳びやす
 いPG・音楽に変えたほうがいいのかも。でもそれはもうちょっと早い段階で決
 意すべきでなかったのかな~。
 この「マイ・ファニー…」そのものは悪くない。素敵なPGなのよね…。
 私なら由希奈ちゃんに滑ってもらうかな(?)
 これ以上、消耗しないように。雑音だらけのウルサイ日本を離れて、コーチが
 ずっとアメリカで守っていてくれたら…と思いますが、どうか。
★章枝ちゃん
 大ちゃんとカブるラフマニノフなんですが、やはりこの曲って、滑りにスピード
 のある選手が滑ってこそ、生き生きしますよね(いや旋律は陰鬱なんだけど)。
 モタついてる人は駄目なのよ~。しゅわーっと滑らなきゃ。
 もうほとんど五輪は無理か!?と70%くらい、私は思ってて…でも「崖っぷち
 のすぐりん」はやはり強い。ほんまにスゴイ。
 ジャンプをミスしない!という気迫と冷静さがうまくコントロールされているの
 は、やはり今までの経験値の大きさのタマモノか。人間、いろんな経験しないと
 駄目だね~と思いしらされるのでした。
 すぐりんのスケートは「ジャンプ跳びました、ホラ」「うまいでしょ、ホラ」と
 いうタイプでなく、「私は滑るぞ!これが私だ!」という意志が伝わってくるの
 で、最高潮の時は観客全員を味方につけて、大きな「うねり」を起こすことが出
 来る。エモーショナルな演技者の典型だ。
 評価が分かれるかもしれないけど、私は非常に「人間的」なこの章枝ちゃんの滑
 りが好き(あ、五輪本番はまた衣装が変わるかな?これもとても好き)。

EX、地上波は本田君もヤグもカットだったんですねえ。なんちゅうこと!ドリカムがカットかと思ってた…。お二方とも同期の桜。この全日本&MOIは、感慨深いものがあったことでしょうね。
コメント (2)
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