上砂理佳のうぐいす日記

巨匠漫画家、楳図かずおさん逝去。あべのハルカスで私も見た「楳図展」は金沢21世紀美術館で9月に開催されていました★

ディカプリオの功労賞?「レヴェナント」★

2016-05-12 | うぐいすよもやま日記
今年もご近所のさくらんぼはあっという間に実り、あっという間に食べられてしまいました。
まあ子供が食べるんだからいいんだけどさ…大人も一粒ぐらい食べたいんです(笑)。

一年前から楽しみにしてた「レヴェナント」見てきました。ディカプリオ、久しぶりです。
オスカー映画で制作費ひゃくさんじゅうおくえん!!!そしてディカプリオ!…というのに、70席ぐらいの小箱でも埋まらないのですね今は。
平日とはいえサービスデーの昼過ぎ。で、老若男女20数人といったところ。やっぱり映画不況かなあ(泣)。

私が若者だった頃は、オスカーや人気作品は、どでかいホールでも満席当たり前だったし、通路階段に座り込んで見たりしてました。立ち見もあり。
今みたいにシネコンじゃなかったから、途中で良い席空いたら自由に座れたし、入れ替えしないから、朝から晩までずっと一本分のお金で何度も見ることが出来た!
そんな時代が良かったよ。。。DVDがなかったから、映画は「一期一会」だったのよね。「見逃したら次はない!」って熱気に価値があったんだと思います。

「レヴェナント」はさすがに時間もお金もかけてるだけあって、厳しい大自然や重装備の男達のアクション、熊やバッファロー、馬にヘラジカ、激流…撮影描写は満点でした。
こんなに凄い映像は、多分日本では無理かと。。。雪原や森のスケールが違います。
そして音楽がうるさくなくて自然音を生かしているから、地味になりがちだけど、テンポが良いので飽きさせない。
ディカプリオが最初から最後まで痛い目に合い、しかもずっと瀕死の重症で3時間…こちらまでずっと後頭部が痛い(笑)。見るのに力を要しました。
確かに映像は素晴らしいんだけど、うーん、人間ドラマとしては弱いかな。
ディカプリオの「生への執着」の理由づけが、「愛する息子を失ったため」というのが、ちょっと脆弱というか。まあ、置き去りにされた恨みもあるだろけど。
「この恨み晴らさでおくべきかー!」っていう怒りのマグマ熱が、あまり感じられませんでした。「瀕死」だから仕方ないのかな?でも、ディカプリオならばもっと「眼光の鋭さ」を望んでしまうのですね(ファン目線)。
主演男優賞は、厳寒で撮影大変だったね…生肉食らって大変だったね…という功労賞的意味合いに思えました。
むしろ、敵役のトム・ハーディの方が「演技表現」として上手かった…憎たらしいんだけど、ある意味彼のとった行動も間違っていないというか。
あの厳しい環境の中で生き延びるには、彼ぐらい狡猾でないとダメというか。
そんな人間のズルさ、奥深さが感じられました。

アメリカ映画に必ずと言っていいほど出てくる、「原住民と侵略者の対立」が、ここでも深く描かれていました。
結局、瀕死のディカプリオを救ってくれたのは原住民側なので、侵略者(白人)への痛烈な批判がこめられている。だから、映画の宣伝文句は「ディカプリオの復讐サバイバル!」みたいになっているけど、本当のテーマは人種問題だと思いました。
オスカー授賞式でもひと騒動あったし、やっぱり根深い問題なんだなと。

私は「ソウ」シリーズでも、全く大丈夫なんですが、ホラーやスプラッター映画が苦手な方は、見ない方がいいかもしれません。。。
かなりのグロ表現が…隣の若いお嬢さん二人連れ、肉や血が飛び散るシーンはずっと下向いてました。だから映画の半分は見てない(笑)。
なのに、終わったら「キャッキャッ」と笑い合ってエンドロール無視で意気揚々と出ていくし。あれで満足なんだろか(笑)。
かと思ったら、大量のポップコーンやハンバーガーを両手に抱えて前の方に座った四人ファミリー。
30分くらいで年配のお父さんが立ち、中盤でお母さんが退出…残った兄と妹らしき二人が気持ち悪くならなかったか、そればかり気になった(笑)。

他にも、「あれだけ急流に呑まれても火打ち石は大丈夫だったのか?」とか、「高熱ディカプリオなのにいつの間に治ったんや?」とか、「そばに焚き火があるのになんで生肉焼かないのか?(肉くれた人への遠慮?)」とか、細かいツッコミで楽しみました(笑)。
わたくし的一番のハイライトは「馬の中で寝る」シーン。
あれ、ホンモノじゃないよねー。ホンモノだったら鼻つままないと。。。
大自然の美しさより、そんな事ばっか気になる自分って何なのか。いや凄い映画ではありましたが★
コメント
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